月曜日
何時もの時間に起床。
TVを見ながらストレッチをして、コーヒーを飲む。ゆったりとした朝だった。
東京にいるときとは雲泥の差だった。この時ばかりは一人でいることの良さがしみてくる。
そう言えば昨日は、少し寂しい気持ちになった事を思い出した。
子供達は元気だろうか?
妻のサキエは元気だろうか?
ふと考えることがある。
そういえば、もう1ヶ月近く連絡も取っていない。
大阪に引っ越してきたばかりの頃は、サキエから毎日のように電話があった。
子供達ともTV電話で話したりした。
1週間もすると、電話がLINEになり、そのうち既読も無視されるようになったので、ジロウも用件が特にないときは送らないようになっていた。
ジロウは考える。
家族ってなんだろう?
俺は、金を送る為だけの人間なんだろうか?
何時もの時間に何時もの電車に乗る為、何時もの時間に家を出る。
駅まで歩く。
ジロウの住む家の近くには、某宅配業者のセンターがあり、そこの女性従業員が沢山出社してくる。その中に紛れて、幼稚園の送りの主婦がちらほらいる。
考えてみれば、女性だらけだった。
ジロウは自然と土曜日すれ違った女を探してみた。
女性従業員たちは、マチマチの恰好でコンビニ袋を提げて出勤してくる。
スーツでびしっとしたキャリアウーマン風。スタイルはいいが、可愛くない。けど、抱ける。
ショートパンツの可愛らしい女子。抱きたい。
電動自転車に子供を2人乗せてバスを待つカビの生えた大福のような主婦。殴りたい。
すると、その向こうからやってきた。
ジロウは遠くからもその女が解った。
服装は地味目、スタイルはいいが少しやせ形。歩き方がぎこちない。
イマイチきちんと顔を見たことがないので、今日こそはと、すれ違いざまに普段は伏し目がちで歩いているジロウだが、正面を見て歩いた。
何とも言えない顔だ。
いや、どちらかというと可愛くない。
ぶすかもしれない。
しかし、すれ違いざまにその女が少し笑った気がした。すると、ふんわりといい香りがした。
ドキドキしながら通り過ぎた。