北アルプス縦走の旅 6日目 2011.08.16 | 凸ざる雑記帳

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基本、山とか旅とか78プラドとか。

昨日の夕食後、やっぱりもっと歩きたいと言う気持ちが芽生え、オーナーさんに頼んでみると快くOKしてくれた。
洗濯物をストーブで乾かしてくれ、携帯電話を充電させてもらい、急遽チャレンジすることにした白馬岳周辺の地図を貸してくれたり、本当に親切に対応してくれた。
オーナーさん夫妻&スタッフの皆さんに感謝感謝。

夕食が終わり露天風呂に入っていると地元の方から、今回行くことにした祖母谷~白馬岳~唐松岳~祖母谷へと戻ってくるルートについてのアドバイスを頂いた。
ただ、自分が本格的に山を始めてまだ間もないことを話すと「このルートは素人にはきついぞ。ベテランでも2泊3日で戻ってくるのは肉体的に相当きついし大変だ。本当に大丈夫か?」と言われた。
「体力だけはバカみたいに有るので」
その後も、きついぞ!大変だぞ!と何度も言われたが、言われれば言われるほど闘争心が沸いてくる。
自信はある。
明日が楽しみだと、期待で胸が膨らむ。

3:00に起き、ひとっ風呂浴びてから3:40宿を出発。
15分ほど歩くと白馬岳登山道入り口の看板が見えた。
崖崩れ跡の瓦礫の山を登っていくとヘッドランプを付け先行していた登山者が。
「登山道を見失っちゃって・・・」
昨日聞いたアドバイスによると、「15分ほど瓦礫の中を登っていくと右側にピンクのテープがありそこから登山道を登っていく」と言われていたがここまではピンクのテープに気付かなかった。
彼と話をし手分けして探すことにした。
自分はさらに上のほうを、彼は下のほうを。
かなり上まで登っていくと赤いペンキでかかれた丸印を発見。
かなり下のほうにいる彼に伝えようと大声で叫んだり、ヘッドランプを点滅させたりするも気付かないようだったので、ザックをその場に置いて彼の元へと下って行く。
100m近くまで近づいたところでようやく声が届くようになった。
「上に赤いペンキマークが合ったよ」
「こっちにはピンクのテープがありますよ。道もちゃんとあります」
なっ、なんと…
「ザック置いてきたから取ってくる」
「じゃあ先に行ってますね」
「了解!」
しぶしぶザックを取りに戻った。

現場にはやはり赤いペンキマークがある。
どこかに登山道があるんじゃないかと辺りを見渡す。
切り立った崖の上に道のような後があり、崖をよじ登る。
が、崖をよじ登っていると掴んだ岩が突然崩れる。
ルートを変えては何度もチャレンジ。
こうなったら意地である。
結局、上手くいかずこのまま続けてたら落ちて怪我をすると思い、ようやく諦めてピンクのテープがあるところまで下った。
う~、腹が立つ!
あのペンキマークは一体なんだったんだ…

ピンクのテープのあるところまで戻り、そこを登り始めるころには5:00を過ぎていた。
1時間ほどのタイムロス。
今日は相当長い時間歩かなければいけないというのになんてこった。
おまけに無駄に体力も消耗してしまったため、いつもより登りがきつく感じる。
まだ5:00ちょい過ぎだというのに吹き出てくる大量の汗。
「祖母谷から一気に白馬岳に登るのは大変だぞ」前日の夜、露天風呂で言われたことを思い出した。
絶対に登りきってやる!
しかしまずは落ち着かなくては。
「落ち着こう、落ち着こう」と自分に言い聞かす。
だが足はやはり重い。
そこで道に落ちている木の枝を適当な長さに折って杖を作ってみた。
足への負担が緩和され急坂も楽に登れるようになった。
1時間ほど歩くと右腕に負担がかかっていることに気付き、もう一本杖を作った。
さらに足取りは軽くなりガンガン坂を登っていく。

8:15不帰岳避難小屋に到着。
近くの水場で水を大量に補給し、菓子を食べてエネルギー補給し再出発。

清水岳手前にある花畑付近でピンクのテープを探してくれた彼が休憩していた。
話を聞くと、ピンクのテープを見つけたとき笛を鳴らして知らせてくれたとか。
サインに気付かなかったのは彼のほうではなく俺のほうだったようだ。
彼にルートを見つけてくれたお礼を言い、先を急ぐ。

そこから10分ほど歩くと前から「名人~!」という声が聞こえた。
俺を名人と呼ぶのは剣岳を一緒に登ったTさんしかいない(笑)。
しかし意外な場所での再開である。
Tさんとは18日に祖母谷温泉で再会するはずだった。
「いや~、疲れちゃってさぁ。行く予定だった白馬鑓温泉パスして、直接祖母谷温泉に行こうと思って」
5,6分話した後「また祖母谷で!」と言い残し白馬岳へ向かう。

花畑を過ぎ、
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ハイ松帯を抜け、ガレ場を黙々と歩いてると、ようやく白馬山荘が見えてきた。
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12:00白馬山荘到着。
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小屋の外で昼飯を食べてた人に「今日はどこからですか?」と聞かれたので「祖母谷からです」と答えると「へ~、うちらは途中の不帰岳避難小屋から来たのに。そんな人もいるんだぁ」と驚かれた。
んっ!?呆れられているのか?

10分ほど歩いて白馬岳頂上へ。
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景色はガスがかかって今ひとつだった。
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白馬山荘の向かいにあるレストランでハヤシライスを頼んだが、あまり食が進まなかった。
相当疲れているということか・・・
ただ今後のため無理矢理流し込んでなんとか完食。
外に出ると雨が降ってきた。

今日は白馬山荘に泊まる予定だったけど、時間があるので白馬岳から唐松岳のほぼ中間にある天狗山荘まで行くことに決めた。
雨対策を施し、13:10に出発。
雨とガレ場歩きに苦労させられたが、途中で5羽の雷鳥と遭遇。
写真を撮りまくる。
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強風と雨の中、15:25天狗山荘に到着。
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祖母谷から来たというと、またまた驚かれた。
自分もここまで来れるとは思っていなかったけどね。
休憩時間を省いても12時間以上歩いたことになる。
タフだな俺(笑)。
そして、お疲れ俺の脚。

明日は不帰(かえらず)と言われる危険な場所を通らなければならない。
気を引き締めていかなければ。
明日中に祖母谷に帰ってみんなを驚かせてやろう!
(なんか主旨が違ってきているような…)