アメリカの伝統と芳醇を感じさせる名盤。高い音楽性に裏打ちされたその音楽で、遠いアメリカの地平線を見つめる。
Procol Harum「A Whiter Shade Of Pale」
アーティスト: Procol Harum
タイトル: A Whiter Shade Of Pale
多分、多くの方がどこかで耳にした事があるであろう名曲が次から次へと飛び出してくる、そんなアルバムだと思います。私自身、このアルバムを初めて購入したのは中学生くらいのときでした。
何故か、手元には既にないのですが(誰かに貸した記憶もある)、緑色のオリジナルジャケットではないもの立った気がします。そして、やはりふとある時に、聞き直したいな・・・と思い直して中古盤屋を巡ったわけですが、あまり見つかりませんでした。
結局、タワレコで新品を買ったわけですが、どうやら再発に再発を重ねたところだったようで(2004年末のお話)、まあオリジナルジャケットでなおかつボーナストラックが4曲という大判振る舞いなので、新品を買っても損はなしという感じです。
さて、簡単にかれらプロコル・ハルムというバンドについて簡単に紹介しておきます。時は1966年。ゲイリ-・ブルッカ-(Vo、Key)とマシュー・フィッシャー(Org)とキース・リード(poet)が中心となり結成。キースは作詞しか出来ないとの事で、結局凄腕のミュージシャンを集めることになった。レイ・ロイヤー(Gt)、ボビー・ハリソン(Dr)、デヴィッド・ナイツ(B)が加わることにありオリジナルの編成が完成した。
なんといってもこのバンドの特徴は、ブルージーなブルーアイドソウルのヴォ-カルと、クラシカルなフレーズを奏でるオルガンにあるといえるでしょう。オルガンというと最近のジャズファンクでもお馴染みのB3オルガンつまり巨匠ジミ-・スミスや最近であればジョン・メデスキーのような泥臭いファンキーなイメージの楽器ですが、マシュー・フィッシャーの場合、ベースに非常にクラシックがあった人だったようで、ゲイリ-・ブルッカ-のピアノと合わさると、とても壮大な広がりを持った一種高貴な雰囲気のアンサンブルを醸し出します。
この感じは、例えばドア-ズとかでもちょっと出せない、一種独特のものです。このどこにもないサウンドを聞く為には、このアルバムを購入するしかないのです。これは本当に凄い事です。結局40年経っても、フォロワーは生まれませんでした。そんな特別な音楽を今回は紹介しました。
簡単に曲目の紹介をします。久しぶりに聞き直してみたら、一曲目・・・そうアルバムタイトルにもなっている「A Whiter Shade Of Pale」こと「青い影」まあ正確には「青白い影」であるのだが、この曲を聞いた瞬間にどっといろいろな事が溢れてきた。なんて言うのだろうか、このアルバムは多くの人の思い出の中にある、共通の何かボタンを押す効果があるんですね。そう良質な映画を見る時に感じる、あの感覚に近いものが溢れてくるんですね。。。
2曲目「Conquistador」では一変して等身大の若者のサウンドに。60年代を感じます。しかし展開がやはりかなり練り込まれていますね。同時代のバンドと比べると、レベルがやはり高い。個人個人も凄いのだがやはりアンサンブルで聞かせるバンドだと思わされます。3曲目「She Wandered Through The Garden Fence」はイントロのドラム・ブレイクからやられますね。この時代の音です。そしてサビでのオルガンのフレージング。やはりサイケデリックとはちょっと違いますが、なんでしょ凄く異物感があってオリエンタルな感じがします。あえてピアノを控え目にして、ざらついた感じに仕上げていてこれはこれでグット。中間で、モロにバロックなフレーズ。唯一無二ですよ本当に。
4曲目「Something Following Me」はゆったりとしたタメの効いた曲です。こういう曲だとDecoyは、ドラムに耳がいってしまいます。ブルージーなヴォ-カルが生きている曲です。5曲目「Mabel」インタールード的な、ちょっと休憩といった感じですね。サウンドコラージュの上でバンドが演奏。ビートルズとかの影響もあるんでしょうね。この辺りは。
6曲目「Cerdes (Outside The Gates Of)」何かを期待させるイントロ。そしてファズの効いたギター。重い腰の低いリズム。ブルージーなヴォ-カルとベースラインの絡みが絶妙です。アルバム中、一番不良な曲ですね(笑)。7曲目「Christmas Camel」ピアノとオルガンによる独特のアンサンブルを聞かせてくれます。1曲目と対になるような楽曲ですね。こう聞き直して思うのは、やはりヴォ-カルがいい。歌ありきです。
8曲目「Kaleidoscope」はアップテンポのちょっとジェフ・ベックグループ的なものを感じる曲です。プロコル・ハルムの方が、かなりロマンティストですが。オルガンのテイストがやはりバロックです。幻想的なんですよね。不思議な曲です。9曲目「Salad Days (Are Here Again)」は落ち着いた感じのポップス。このオルガンとピアノのアンサンブルは、当時としてはかなり斬新だったんだろうと思わされます。ピアノはやはりい歌いながらなので、非常に歌と絡むんですよね。で、オルガンはサビにくると歌の旋律を補完するように寄り添う。通常だとちょと分厚くてうるさくなるんですが、彼等の魔法のアンサンブルではどちらかというと、ドラマチックに展開しています。
10曲目「Good Captain Clack」は明るい、5曲目「Mabel」と同じくどこか、コンセプチュアルな楽曲です。そして、ボーナストラックを除いた、本来の最後の曲「Repent Walpurgis」。はかなくてロマンティックなこの楽想は、彼等出なければ表現できないです。ある意味でこれは様式美ともいえるかもしれませんね。こういうインストの曲もやっちゃうあたりは、このバンドの方向性の面白さですよね。
ここからはボーナストラックですね。12曲目「Lime Street Blues」はロッキンブルースというか、ロックンロールやね。シンプルな曲です。ちょっとらしくないかも(笑)。13曲目「Homburg」は名曲です。雰囲気としては、一曲目の「青い影」に通じるものがあります。遠いアメリカの地平線が見えます。14曲目「Monsieur Armand」はロックですね。これはこれで格好いいんですけど、ちょっと彼等らしくは無いかもね。15曲目「Seem To Have The Blues All The Time」今でいったらまさにジャムバンド風の曲ですね。いかにもジャムって作った感じの曲。これはこれで良い。でもなんだろうね、プロコル・ハルムでなくてもいいかもしれない。
最近、曲を書いたりアレンジしたりという活動から離れて、人の演奏を客観的に聞くようになっていつも思うのは、やりたいやり方つまり、そのバンドが気に入っているやり方が、必ずしもそのバンドにとってベストではないかも知れないという事です。しかし、やはりバンドである以上やりたい音をやりたい。ここにいつも矛盾が生まれる。
これをクリアする方法は、一つしかない。バンドはやりたい事を、常に最高を求めてやっていくべきだと思う。「慣れなければ」ミュージシャンという仕事は続けられない。しかしミュージシャンという仕事に「慣れてしまう」ととたんにつまらなくなる。どこまでも緊張精神に緊張を持たせて、常に良いものを追い求め、実行する。続けなければ、すぐに古くなる。すぐに飽きられてしまう。全速で駆け抜けたアーティストの作品は、時間を経てなおかつ生き残ったのなら、名盤としていつか時代に刻まれます。このアルバムのように。。。それでは。
Love Always,
Peace Everyone,
Procol Harum「A Whiter Shade Of Pale」
アーティスト: Procol Harum
タイトル: A Whiter Shade Of Pale
多分、多くの方がどこかで耳にした事があるであろう名曲が次から次へと飛び出してくる、そんなアルバムだと思います。私自身、このアルバムを初めて購入したのは中学生くらいのときでした。
何故か、手元には既にないのですが(誰かに貸した記憶もある)、緑色のオリジナルジャケットではないもの立った気がします。そして、やはりふとある時に、聞き直したいな・・・と思い直して中古盤屋を巡ったわけですが、あまり見つかりませんでした。
結局、タワレコで新品を買ったわけですが、どうやら再発に再発を重ねたところだったようで(2004年末のお話)、まあオリジナルジャケットでなおかつボーナストラックが4曲という大判振る舞いなので、新品を買っても損はなしという感じです。
さて、簡単にかれらプロコル・ハルムというバンドについて簡単に紹介しておきます。時は1966年。ゲイリ-・ブルッカ-(Vo、Key)とマシュー・フィッシャー(Org)とキース・リード(poet)が中心となり結成。キースは作詞しか出来ないとの事で、結局凄腕のミュージシャンを集めることになった。レイ・ロイヤー(Gt)、ボビー・ハリソン(Dr)、デヴィッド・ナイツ(B)が加わることにありオリジナルの編成が完成した。
なんといってもこのバンドの特徴は、ブルージーなブルーアイドソウルのヴォ-カルと、クラシカルなフレーズを奏でるオルガンにあるといえるでしょう。オルガンというと最近のジャズファンクでもお馴染みのB3オルガンつまり巨匠ジミ-・スミスや最近であればジョン・メデスキーのような泥臭いファンキーなイメージの楽器ですが、マシュー・フィッシャーの場合、ベースに非常にクラシックがあった人だったようで、ゲイリ-・ブルッカ-のピアノと合わさると、とても壮大な広がりを持った一種高貴な雰囲気のアンサンブルを醸し出します。
この感じは、例えばドア-ズとかでもちょっと出せない、一種独特のものです。このどこにもないサウンドを聞く為には、このアルバムを購入するしかないのです。これは本当に凄い事です。結局40年経っても、フォロワーは生まれませんでした。そんな特別な音楽を今回は紹介しました。
簡単に曲目の紹介をします。久しぶりに聞き直してみたら、一曲目・・・そうアルバムタイトルにもなっている「A Whiter Shade Of Pale」こと「青い影」まあ正確には「青白い影」であるのだが、この曲を聞いた瞬間にどっといろいろな事が溢れてきた。なんて言うのだろうか、このアルバムは多くの人の思い出の中にある、共通の何かボタンを押す効果があるんですね。そう良質な映画を見る時に感じる、あの感覚に近いものが溢れてくるんですね。。。
2曲目「Conquistador」では一変して等身大の若者のサウンドに。60年代を感じます。しかし展開がやはりかなり練り込まれていますね。同時代のバンドと比べると、レベルがやはり高い。個人個人も凄いのだがやはりアンサンブルで聞かせるバンドだと思わされます。3曲目「She Wandered Through The Garden Fence」はイントロのドラム・ブレイクからやられますね。この時代の音です。そしてサビでのオルガンのフレージング。やはりサイケデリックとはちょっと違いますが、なんでしょ凄く異物感があってオリエンタルな感じがします。あえてピアノを控え目にして、ざらついた感じに仕上げていてこれはこれでグット。中間で、モロにバロックなフレーズ。唯一無二ですよ本当に。
4曲目「Something Following Me」はゆったりとしたタメの効いた曲です。こういう曲だとDecoyは、ドラムに耳がいってしまいます。ブルージーなヴォ-カルが生きている曲です。5曲目「Mabel」インタールード的な、ちょっと休憩といった感じですね。サウンドコラージュの上でバンドが演奏。ビートルズとかの影響もあるんでしょうね。この辺りは。
6曲目「Cerdes (Outside The Gates Of)」何かを期待させるイントロ。そしてファズの効いたギター。重い腰の低いリズム。ブルージーなヴォ-カルとベースラインの絡みが絶妙です。アルバム中、一番不良な曲ですね(笑)。7曲目「Christmas Camel」ピアノとオルガンによる独特のアンサンブルを聞かせてくれます。1曲目と対になるような楽曲ですね。こう聞き直して思うのは、やはりヴォ-カルがいい。歌ありきです。
8曲目「Kaleidoscope」はアップテンポのちょっとジェフ・ベックグループ的なものを感じる曲です。プロコル・ハルムの方が、かなりロマンティストですが。オルガンのテイストがやはりバロックです。幻想的なんですよね。不思議な曲です。9曲目「Salad Days (Are Here Again)」は落ち着いた感じのポップス。このオルガンとピアノのアンサンブルは、当時としてはかなり斬新だったんだろうと思わされます。ピアノはやはりい歌いながらなので、非常に歌と絡むんですよね。で、オルガンはサビにくると歌の旋律を補完するように寄り添う。通常だとちょと分厚くてうるさくなるんですが、彼等の魔法のアンサンブルではどちらかというと、ドラマチックに展開しています。
10曲目「Good Captain Clack」は明るい、5曲目「Mabel」と同じくどこか、コンセプチュアルな楽曲です。そして、ボーナストラックを除いた、本来の最後の曲「Repent Walpurgis」。はかなくてロマンティックなこの楽想は、彼等出なければ表現できないです。ある意味でこれは様式美ともいえるかもしれませんね。こういうインストの曲もやっちゃうあたりは、このバンドの方向性の面白さですよね。
ここからはボーナストラックですね。12曲目「Lime Street Blues」はロッキンブルースというか、ロックンロールやね。シンプルな曲です。ちょっとらしくないかも(笑)。13曲目「Homburg」は名曲です。雰囲気としては、一曲目の「青い影」に通じるものがあります。遠いアメリカの地平線が見えます。14曲目「Monsieur Armand」はロックですね。これはこれで格好いいんですけど、ちょっと彼等らしくは無いかもね。15曲目「Seem To Have The Blues All The Time」今でいったらまさにジャムバンド風の曲ですね。いかにもジャムって作った感じの曲。これはこれで良い。でもなんだろうね、プロコル・ハルムでなくてもいいかもしれない。
最近、曲を書いたりアレンジしたりという活動から離れて、人の演奏を客観的に聞くようになっていつも思うのは、やりたいやり方つまり、そのバンドが気に入っているやり方が、必ずしもそのバンドにとってベストではないかも知れないという事です。しかし、やはりバンドである以上やりたい音をやりたい。ここにいつも矛盾が生まれる。
これをクリアする方法は、一つしかない。バンドはやりたい事を、常に最高を求めてやっていくべきだと思う。「慣れなければ」ミュージシャンという仕事は続けられない。しかしミュージシャンという仕事に「慣れてしまう」ととたんにつまらなくなる。どこまでも緊張精神に緊張を持たせて、常に良いものを追い求め、実行する。続けなければ、すぐに古くなる。すぐに飽きられてしまう。全速で駆け抜けたアーティストの作品は、時間を経てなおかつ生き残ったのなら、名盤としていつか時代に刻まれます。このアルバムのように。。。それでは。
Love Always,
Peace Everyone,