至高のスウィートソウル。完全なハーモニーに身悶えよ!
The Escorts「All We Need Is Another Chance」



アーティスト: The Escorts
タイトル: All We Need Is Another Chance

スウィートソウル・フロム・ジェイルハウス。。。いきなりなのだが、このアルバムの副題とも言えそうなこのキャッチ。これは本当の話なんです。なんとこのアルバム獄中録音なのです。そしてこの獄中のグループ、ジ・エスコーツを見出した偉大なるプロデューサーがジョージ・カーです。

ジ・エスコーツと、この鬼才プロデューサーとの出会いはまるで運命的なものでした。毎年恒例になっていた刑務所慰問のツアーに、リンダ・ジョーンズが呼ばれ、そのプロデューサーとして、ジョージ・カーは帯同。その場で、彼らジ・エスコーツの歌に触れて、一聴惚れ。そこからが、この鬼才の凄いところ。もの凄い執念で、州知事や上院議員に嘆願書をだしまくり、2年越しでレコーディングに漕ぎ着けたのでした。

勿論、録音は綿密に作り込んだバックトラックに彼らが歌を録音するというスタイルで進んだ。しかし、どう聴いてもそういう別録音特有の、しらけた感じがない。まるで、ライブで歌っているようなんです。ジョージ・カーお得意のヒット曲イントロを介しての一曲目「I'll Be Sweeter Tomorrow」から激甘。そして、少し元気な「By The Time T Get To Phoenix」を挟んでまたまた超激甘の「Little Green Apples」そして最初のクライマックス「All We Need (Is Another Chance)」を迎えます。この曲がとにかく格好いい!!

要するにここまでの流れは、この曲を以下に格好良く見せるかのイントロだったのね!と思わせる。これまでの激甘系とは一線をかす、ドラマティックで男らしいサビのコーラス。そして、キメのフレーズ!!70年代の空気がスピーカー越しに漂って来ます。こういう本当のR&Bを、是非もっと日本人には聴いてもらいたい。完璧なハーモニー、うねるグルーヴ、緊張感を切らさない演奏。そして、コアには普遍的でとても人間臭いテーマ。

このアルバムは激甘ソウルの「Look Over Your Shoulder」とR&B色の強いファンキーな「I'm So Glad I Found You」をはさみ、「Ooh Baby, Baby」で、もう一回クライマックスを迎えます。スウィート・ソウルの決定的一曲です。大好きな女性と過ごす夜にこのアルバムが欠かせない理由はこの曲によるところが強いですね。サビに入る所なんか堪らないです。クゥーっととろけること、請け合いです。

Decoyのソウル名盤100には必ず入ってくるこのアルバムですが、その出会いはやはり中学生の頃に出入りしていた、例の近所の輸入盤屋さんです。これまた、店長にマービン・ゲイやダニー・ハザウェイなどのニューソウルの素晴らしさに感動したと話していた時に、
「全然ダメ全然甘い。そんなんで聴いた風なクチを聴くな」
と、沢山またアルバムを紹介された(結局、小遣つぎ込んで全部買った)。

14、15のガキが知ったかぶるのも良くないが、真顔で否定することもなかろうに。。。とはいえ、この頑固な店長のおかげで超弩級のマイナーな名盤を沢山知ることが出来たのです。その時のアルバムは10年以上経った今でも、名盤としてDecoyの人生を豊かにしてくれている。

色々その辺のアルバムは今後紹介していくので、宜しくお願いいたします。