何処までも輪郭が無く、何処までも漂う音楽
Brigitte Fontaine「COMME A LA RADIO」



アーティスト: Brigitte Fontaine
タイトル: COMME A LA RADIO






ブリジット・フォンテーヌ。いわゆるシャンソンというジャンルのアーティストである。しかし、彼女のやるシャンソンは。。。シャンソンと呼ぶには、あまりに艶めかしく、そして輪郭が無い。どこまでも冒険的であり、なおかつどこまでも保守的である。ブリジット・フォンテーヌはいわゆる本物の芸術家である。私にとっては、フランス版のオノ・ヨーコという感じである。このアルバムはそんな彼女の正真正銘の最高傑作アルバムである。

このアルバムは、彼女と盟友アレスキー・ベルカセム(シタールなどを操る、まさに怪人)、そしてアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(米国の前衛ジャズの集団)の三つの個性のぶつかり合いによってたまたま生を受けた魔物です。音響系のアーティストの間で、このアルバムは神格化されております。

しかし、夜中に暗い部屋で一人で聴く勇気が正直私にはない。まさに録っては行けない音が録音されたアルバムという感じなのです。

このアルバムの評価ははっきり言って無駄なのだ。そんな事は解っている。良い悪いを超えて唯一無二の比べるモノがない音楽である以上、それだけでこの音楽の存在意義は成立してしまうからだ。一度聴いたら決して忘れられないアルバムです。

とにかく輪郭が無く、何処までも深い底なし沼のような世界観、まさに音楽というアートの一つの究極の形がここでは提示されている。貴方がもし、この音楽を聴いて新しい精神の扉を開いた時、そこには何があるのでしょうか。。。

この音楽を聴いて何を見つけるかは、リスナーによって全く違う答えが出てきそうです。それは大きな絶望?・・・それとも・・・。