凄い凄すぎます。人力ドリルンベース!多くのDJがネタにした伝説のアルバム
VARIOUS「VOODOO DRUMS」



アーティスト: VARIOUS
タイトル: Voodoo Drums


これははっきり言って、これいわゆる玄人好みの名盤です。マニアックな世界での話なんですが。。。これのオリジナルのレコードにウン十万円というお金を払う人がいたらしいとの噂です。でも聴けば納得です。いわゆるディープハウスやドラムンベース、トランスにも通じるその音楽は、ドラムだけで奏でられているとはとうてい思えない、非常に多彩な表情を見せてくれます。

これは、ハイチの地元のいわゆる伝統のドラム(タイコともいう)演奏なんです。でも非常にミュートが効いたこもったドラムの独特な音色は、どこかウッドベースを思い起こさせます。そしてなんといっても、複雑な様々なパターンで繰り出される、リズムの洪水。決して変拍子ではないのですが、不思議な休符の入り方をしていて、それがお互いを煽るのです。いわゆるラテン的なタメやキメが有ったり、ブラジルのクラーベを思わせる動きがあったり。アフリカやインドとは違った、不思議な音楽です。

実際こういう民族音楽モノは、その多くが典型的なその地方、その島の音楽をいかにもそれらしく収録したモノが多く、いわゆる観光客向けの「世界のショー(熱海の温泉旅館)」になってしまうモノが多いのです。ところが、このアルバムはもうドロドロのギトギトでとにかく濃い。正にハイチ民族のエトスを余すことなく飲み込んだ、ドラムサウンドです。どこか禍々しい神を思わせる。この神は、天の恵み(喜び・収穫)と天災(悲観・滅び)を左右の手に持っている。その強大な力は、尊敬と羨望と畏敬の対象である。

「人間よ。もう一度、ワイルドサイド歩け。そして我が元でもう一度踊れ。」
ドラムで降臨した神は、世界の些末な出来事全てを飲み込んでゆく。神の存在した悠久の時代から続くこの演奏を是非聴いてみてください。