ジャズファンクの決定的名盤!アバンギャルドでスタイリッシュなライブ盤
Herbie Hancock「FLOOD」



アーティスト: Herbie Hancock
タイトル: FLOOD







「このアルバムに、私は人生を変えられました。」
そう言い切っても間違いがない、そんな作品です。このアルバムが、私の音楽の趣向に大きな影響を与えています。大胆かつ繊細な演奏。まさにそんな表現がぴったりなアルバムです。

このアルバムは、ピアニストのハービー・ハンコックがリーダーで発表した「ヘッド・ハンターズ」というアルバムから始まる、ハービー・ハンコック一の連のファンク路線アルバムの中で、「ヘッド・ハンターズ」と並び、特に優れたアルバムです。

このアルバムの最大の特徴は、ライブ演奏という事です。スタジオ録音のアルバムに見られる、綿密に練られたフレージングやコンビネーションも素晴らしいのですが、それを元ネタにライブの中で、各演奏家の閃きと、その場の環境、そして一種の運命が影響しあって生まれる緊張感の合わさった演奏は、また格別のモノがあります。

このアルバムでの見所としては、まずハービー・ハンコックの繊細なピアノタッチとそしてアナログ・シンセサイザーによるウネウネなアバンギャルドなソロまずコレが挙げられます。この人はとにかく芸の幅が広い。ジャズやファンクそして音響、とにかく判然一体である。この人のそういうセンスが大好きで、Decoyもライブでエフェクトバリバリな演奏をするのはその影響です。

そしてもう一つの見所は、ベースのポール・ジャクソンとドラムのマイク・クラークそしてパーカッションのビル・サマーズ、ギターのブラックバード・ナイトによるギリギリの緊張感を見せつけるリズムコンビネーションにある。シンコペーションの連続、様々な譜割でフレーズを展開させ、3連で落としこみながら、その裏で16で煽る。もう自由自在である。世界中の様々なリズムパターンが判然一体になっています。こういうセッションは聞く側より、やっている側が一番楽しめるのです。

ハービー・ハンコックやサックスのベニー・モウピンはテーマは明確に演奏するモノの、それ以降のインプロビゼーションが始まると、もう好き勝手にその上で暴れ回る感じです。曲自体の枠組みはリズムセクションがきっちり押さえている感じ。しかしそこでのお互いの綱引きの感じもまた堪らないのです。本当、素晴らしいです。
「未だまとめない、もっと展開する!!」
「いや、もう次のセクションに移る!!」
こんな感じです。

まあ彼らくらいになると、細かなリハーサル無しでも譜面通りに演奏出来る訳なので一概には言えませんが、名演奏家と呼ばれる人々は、引き出しから次々にアイデアが溢れるわけで、多くの箇所で即興的に曲が展開しているのは間違いないです。

コレまで、31年の人生のうち13年間付き合ってきたアルバムで、おそらく繰り返し聞いた回数は数百回。これだけ人生の時間を使う価値のあるアルバムは、そうそう無いです。恐らくこれからの人生でも、繰り返し繰り返し聞き続ける事でしょう。
「グルーヴって何?」
という方に是非聴いてもらいたいです。特にベースやドラムを演奏する方には、絶対にオススメです。