輝かしい新年を迎え、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申しあげます

 

昨年は多くの方に御来院頂き有難うございました

本年もよろしくお願い申し上げます

 

さて本日は、目次の2番 しみ(色素斑)のお話で、 skin-lightening agents(美白剤など)

のうち、レチノイド(ビタミンAおよびその誘導体)についてです。

 

日本でいう美白剤はメラニンの生成を抑えるものを指しますが、表皮のターンオーバーを促進して落屑を増加させ、表皮内の過剰なメラニンを除去する レチノイド(ビタミンAおよびその誘導体)、α-ヒドロキシ酸 (AHA)、β-ヒドロキシ酸 (BHA) にも美白作用があり、海外では skin-lightening agents (美白剤)に含まれています。

 

 

このうちレチノイドはビタミンAおよびその誘導体ですが、ビタミンA(レチノール)の重要性はほぼ100年前に認識され、1940年代半ばには合成されて市販されるようになり、内服薬の多くの副作用のために外用薬が開発されました。

 

レチノイド外用薬はニキビや光老化の治療に革命をもたらしましたが、長期的な安全性は、角化性皮膚疾患、ニキビの治療に40年以上継続して使用されてきたことで確立されています

 

レチノイド外用薬には、皮膚の紫外線による損傷やその他の加齢に伴う変化を修復(表皮のターンオーバーを促進、コラーゲン合成・ヒアルロン酸合成を促進)してさらなる損傷を防ぐ効果、及び皮脂の分泌を抑制してにきびを防ぐ効果がありますが、このうち表皮ターンオーバー促進は落屑を増加させ、表皮内の過剰なメラニンを除去して美白につながります。

 

レチノイド外用薬は長期間継続して使用することが望ましく、またそうすることで、その後の多くの美容治療の必要性がなくなる可能性があります。

 

作用機序は

→ レチノイドがレチノイン酸受容体(細胞の核内に存在)に結合

→ この複合体が特定のDNA(生物の設計図)配列に結合

→ 転写(DNAの情報を写し取る作業)を活性化

→ 特定のタンパク質を生成

→ 薬理効果を発揮

であることがわかっています。

 

ピリピリ感、灼熱感、痒み、赤みなどが生じたり、角質がポロポロ剥けてくることがあります。これらはレチノイドによる正常な反応です(ビタミンAは血液中に微量に含まれているものですから、アレルギー反応を起こすことは基本的にありません)が、医師に相談しながら使用するのが良いでしょう。

 

また、保湿、紫外線防止が重要です。

 

レチノイド製品には、日本では未承認(米国FDA承認)で自費薬のトレチノインhttps://ameblo.jp/decollte-clinic/entry-12337082848.html、にきびに保険適応のある ディフェリンゲル®・エピデュオゲル® https://ameblo.jp/decollte-clinic/entry-12325752397.html、角化性皮膚疾患に保険適応のあるザーネ®、当院採用の化粧品 エンビロン® などがあります。

 

光はレチノイドを不活性化するので、密閉容器に入れ、就寝前にレチノイドを塗布する必要があります。

 

妊娠中・授乳中は使用を中止して下さい。

 

芦屋デコルテクリニック 大瀧