ADHD?ASD?|親と担任教諭による評価
3回に分けて、わが子の「診断名」について私の経験や考えをお伝えします。
初回はADHD(注意欠陥/多動性障害)と診断されたときの話です。
受診のきっかけは「通級」を申請したことからでした。
当時の息子は小学1年生、コロナ入学の学年です。
入学式の翌日から、2ヶ月間の休校を経て始まった学校生活は息子にとって窮屈で詰まらないものでした。
コロナ禍ゆえに「ダメ」と言われることを「保育園では何も言われなかったのに、小学校は注意される」と受け止めてしまったこともあり、「ぼくは保育園がいい」と言って登校しぶりになりました
そして学校から母子同伴登校を依頼され、丸1か月、私は1年生が座るとっても小さな椅子に座りながら息子と一緒に教室で過ごすことになりました。
そんな様子から「通級」を利用してフォローを受けるのが良いのではないか、との判断に至った訳です。
自治体によって通級利用の条件は異なるようですが、その時に住んでいた所では医師による見立てを必要としましたので、受診することになりました。
病院で受診することすら予約待ち・・・人気のある病院だと、その期間は何ヶ月にもなります
私は迷いましたが、1日でも早く通級させるのが得策だと考え予約日が早い病院を選択しました。
この選択については今なら、(受診すると決めた場合は)しっかりと診ていただけることを重視すると思います。
(なかなか、それを判断するのが難しいとは思いますが・・・)
なぜなら診断に至る経緯が曖昧だと感じたからです。
その理由は次の3つです。(とっても主観で恐縮です・・・)
①医師が子どもを診る時間は、ほんのわずかと感じた
②周囲の大人が困っているか否かで評価結果がブレるように感じた
③親の困りごとよりも学校の困りごとを優先して診断されたように感じた
息子の状態を判断するのに用いたのは、次の質問紙です。
ADHD特性がある可能性がある場合に用いるとの説明があり、これを親と担任教諭がそれぞれ記入したものを提出しました。
✓ADHD-RS
実は担任の先生から受け取った評価表を見て愕然としました
親の評価と比べた時の差が非常に大きく、「えっ!?うちの子、そんなにダメなの!?」と衝撃が走るようなスコアだったのです
(母子同伴登校で様子を見ているからこその驚きでもありました。)
続いて母親へのヒアリングが行われました。臨床心理士によって実施された「PARS-TR」です。ASD(自閉スペクトラム症)の特性が見られるかどうかを確認するものとのことでした。
実は、このヒアリング結果においては「ASD傾向」が感じられるとの結論が出ています。
小学1年生の子どもだからなのでしょうか。
本人が何に困っているかに触れず、周りの大人が決めていくその流れに個人的には違和感を感じました
医師の診断と説明
これらを総合的に判断した医師の診断が「ADHD」でした。
✓担任教諭|ADHDに関する評価しか参加できず、ADHD傾向が高いと感じている。
✓親|ADHDとASD両方の評価に参加し、ASD傾向が高いと感じている。
この結果をそのまま「ADHDとASDの合併タイプ」としてもいいのでは?と素人判断で感じる診断でした。
一方で、学校生活で迷惑をかけている自覚がある私としては、学校の先生がこのように感じている以上、それが優先されることは致し方ないようにも感じさせられる流れがありました。
一人っ子を育てる親なので他の子どもとの比較は難しく、それこそ多くの子どもを見ている学校の先生が、そのように評価するのであれば、それが事実なのかな、と考えたのです。
当時は、「通級に必要だから」という動機で受診したこともあり、そのまま受け入れましたが、私が子育てで感じる違和感を置き去りにされたような感覚がありました。
また、医師が息子を見ていたのは、初診時に医師と私が話している横に座っていた様子のみです。もちろん、その観察で見て取れるものもあるでしょうし、簡単な会話も少しあったと記憶しているので、その受け答えから判断したものもあるでしょう。
とは言え、「それだけで決まるの?」という驚きを隠せませんでした。
で?診断が出たあとのこと
さらに私にとって残念だったのは、
・診断があれば、より良いサポートが受けられる
と考えたのに「通級」以外のサポートは得られなかった点です。
医師の見解を伺い、書面を受け取った際、
「薬を飲んだり、こちらで療育を受けたり、という対応になりますか?」と聞くと
「どちらも必要ありません」と言われました
じゃあ何をすれば?と思っていると
「色んな経験をさせて、色んなことを体験させてあげてください」とのことでした。
えーーーそれで終わりーーー???
ぶっちゃけ何も解決しないガッカリ感がハンパなかったです。
私が、こんなに悩み苦しんで、どうしたらいいのか分からなくなっている状態なのに、専門家を頼れるのは「通級」しかない。
(決して通級に不満があるわけではなく、通級の先生に出会えて助かった気持ちは大きいのですが)診断がつけば医療的なサポートを受けられるのではないか、と期待したものが崩れ落ちる瞬間でした。
どこか本質を欠いているように感じた原点になる出来事でした。
お読みいただきありがとうございました
次回のテーマは「ADHDの多様性」です。
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発達科学コミュニケーショントレーナー
中村莉彩子 Risako Nakamura