政府が平成27年1月の利用開始を目指している、国民一人一人に番号を付けて納税記録や年金、医療などの社会保障情報を管理する共通番号制度「マイナンバー」に関し、システム導入費用が5千億円以上にも上るとの政府試算が15日分かった。住民基本台帳ネットワークの導入費用約400億円に比べ13倍近く、公的情報システムの導入費用では過去最大規模となる見通しだ。
民主党内では費用削減のため、健康保険証や年金手帳などの機能を1枚にまとめたICカードの導入を先送りする案も浮上している。
試算は内閣官房の担当室が民主党の検討チームに提示した。導入費用の内訳は▽国税庁や日本年金機構など情報保有機関のシステム整備3200億円▽各個人情報を一元化する組織の設立700億円▽ICカード導入800億円▽個人情報を利用者が確認できるインターネットサイト「マイ・ポータル」開設300億円▽個人情報の漏洩(ろうえい)を監視する第三者機関の設置10億円-など。
さらにシステム運用に年350億円の経費が必要になるとしているが、システム導入によるペーパーレス化などで地方自治体も含めて行政コストが年2300億円削減できると試算。数字の上では3年間で導入費用の元は取れるという。
ただ、民主党内には「導入費用が膨大すぎる」「行政コスト削減額の根拠が不明確」との声も。検討チームでは制度開始時に共通番号のみ導入し、ICカードやマイ・ポータルは制度が浸透してからスタートさせる「2段階論」などの費用削減案が出ている。
共通番号をめぐっては第三者機関の設置形態など未決定部分も多く、関連法案の提出は当初目指していた次期臨時国会から来年の通常国会へずれ込む見通し。
【用語解説】共通番号制度
住民基本台帳ネットワークをもとに国民全員に番号を付け、年金、医療、介護保険、福祉、労働保険、税務の6分野の利用情報を結び付ける制度。効果的な社会保障サービスの提供が期待できる一方、個人情報漏洩や目的外利用を懸念する声も根強い。