国際貢献、人材足りない 被災地に殺到 青年海外協力隊の応募激減 | deckbariaのブログ

deckbariaのブログ

ブログの説明を入力します。

海外でのボランティア活動の象徴的存在である国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊の今春の応募が、過去最低の1千人台にまで急落した。ピーク時には年間1万人を超える応募があったが、若者の内向き志向などを反映し応募が減少。震災で国内にボランティア活動の場が生じたことや、事業仕分けによる手当減といった要因も重なった。JICAでは「国際貢献の質を落とすわけにはいかない」と危機感を強めている。(玉嵜栄次)

 青年海外協力隊事務局によると、応募者数は年間1万1832人が応募した平成6年度をピークに減少。昨年度は半分以下の年間4060人になった。

 震災があった今春の応募者数は、半期としては過去最低の1351人(昨春は2045人)にまで落ち込んでしまった。秋募集もあるが、最近は春の応募の方が多いことから、今年度の応募者数は過去最低を割り込む可能性が高い。

 最大の要因が、震災の影響で十分な説明会の開催ができなかった上に、東北にボランティアの活躍の場が生じたことだ。

 政府の震災復興対策本部の西田紫郎参事官補佐は「海外支援に力を入れていた個人や団体が、震災で被災地支援にエネルギーを振り向けた面は確かにある」と指摘する。同本部によると、現在でも被災地では月間延べ7万人がボランティア活動に参加。「若者が休日に参加するケースも多く人員は安定的」(西田さん)という。

 震災被災地にボランティアの力が注がれるのは、何ら悪いことではない。しかし、電気技師などの専門性の高い分野では、途上国から要請があっても、応募者減が響き、派遣できる隊員が見つからないという。

 ■内向き志向の若者

 震災以外の理由もある。青年海外協力隊事務局募集課の福田笙子さんは「応募者の大半は意欲的だが、中には『自分の能力では対応できない』との声もある。今時の若者の自信のなさの表れかもしれない」と話す。

 海外への留学数の減少にみられるような、若者の内向き志向も応募者減につながっているようだ。

 協力隊の活動期間は2年間。長期の海外活動は、就職難で安定志向を強める若者や、雇用悪化で休職が難しくなった会社員にとり障壁になっているともいう。

 ■仕分けで手当半減

 さらに、昨年の事業仕分けで、隊員への手当(国内積立金)の妥当性が問題となり、2年間で250万円あったものが140万円に減額されたことも拍車をかけているようだ。チュニジアの「ジャスミン革命」のような国際情勢の混乱も応募離れに輪をかける材料になっている。

 JICAは、「応募者減で競争の水準が下がれば、隊員の能力の低下を招くことにもなりかねない」と懸念。被災地に続くボランティア熱が、国際貢献の場にも広がることを期待している。

【用語解説】青年海外協力隊

 途上国に対する技術援助などを目的として昭和40年4月に発足した。受け入れ国は約80カ国で、協力分野は野菜の栽培から教育、土木建築、自動車整備など約120種と多岐にわたる。隊員の募集は春(4、5月)と秋(10、11月)の年2回。資格は20歳から39歳までの男女。約65日間の国内合宿訓練後に赴任。赴任期間は原則2年間。これまで延べ3万4000人超が参加した。今年の秋の応募は11月7日まで。40歳以上にはシニア海外ボランティア事業がある。