東証J-REIT(ジャパンリート)市場は、日銀による利上げや国内長期金利(10年国債金利)の上昇傾向を背景に、東証REIT指数が1,600〜1,700ポイント台前半に調整し、上値の重い展開が続いている。

しかしその反面、市場全体の平均分配金利回りは5.4%超と歴史的な高水準に達しており、PBRに相当する「NAV倍率」が1倍を割り込む割安な銘柄が続出している。

 

「NAV倍率」

 NAV倍率(Net Asset Value倍率)とは、J-REIT(日本不動産投資信託)の割安・割高感を判断するための指標。 株式投資でいう「PBR(株価純資産倍率)」に相当するもので、投資口価格(株価)が1口当たりの純資産の何倍まで買われているかを表す。

計算式   NAV倍率 = 投資口価格 ÷ 1口当たりNAV    
 
NAV倍率1倍割れとは?
不動産を個別にすべて売却した処分価値(解散価値)よりも、市場でついている価格の方が安い状態。
 

用途別・注目のJ-REIT有望銘柄

銘柄名(証券コード) 主な投資対象 予想分配金利回り 注目される理由・特徴
産業ファンド投資法人(3249) 物流施設・工場等 約 5.8% 米国系投資会社KKRがスポンサー。産業用不動産に強みを持ち、物件売却益を毎期200〜400円分配金として還元する積極的な姿勢が評価され、アナリストの「買い」評価が優勢です。
日本プライムリアルティ投資法人(8955) オフィス・商業施設 約 4.4% 東京建物系。オフィスの空室率低下に伴い、賃料の成長目標を年率3.5%(従来は1.8%)へ上方修正しており、金利上昇によるコスト増を上回る賃料成長が期待されています。
オリックス不動産投資法人(8954) 総合型(オフィス・ホテル等) 約 5.2% オフィス50%、ホテル約19%で構成。インバウンド需要の恩恵を受けやすいホテルを組み入れつつ、借入金の90%超が固定金利という保守的かつ安心感のある金利上昇対策が魅力です。
東急リアル・エステート投資法人(8957) オフィス・都心商業施設 約 4.4% 投資対象を関東圏に特化。分配金の下限を4,000円と設定しており安定性が極めて高く、調達資金の固定金利比率も90%超と金利上昇に強い構造です。
インヴィンシブル投資法人(8963) ホテル・住居 約 7.4% ホテル系リートの代表格。旺盛なインバウンド需要・国内宿泊需要を背景に客室単価が上昇しており、非常に高い分配金利回りを維持しています。