それから。 | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。


季節は春を通り越し、初夏を感じる装いになってきましたね。

4月下旬には無事に実家に帰省し、大きくなったお腹を両親に見せることが出来ました好
現在妊娠9か月( 32週 )、お腹もだいぶ膨らみを増し、力強い胎動も感じています。


また、帰省中に父の外来が重なり、両親と一緒に主治医のお話を聞くことが出来ました。

去年8月に手術で切除した頚部リンパのしこり( タキソテールが唯一効かなかった部分 )がまた再発・出現していたのは、以前から分かっていたことなのですが・・・

4月上旬に受けたCT検査で急拡大が確認され、気管を圧迫し始めていることが判明。
やはりこの部分だけは、抗がん剤が効いていないと言わざるをえません。
ただ、幸いにも原発となる食道部に変化は見られず、肺やその他の臓器への転移等は見られませんでした。

人はガンそのもので死ぬのではなく、ガンが臓器を侵食し、機能障害を引き起こすことによって死に至らしめるということを考えれば、臓器に再発・転移していない以上、頚部リンパのしこりが父の寿命に影響することは無さそうです。

しかし、「 変化があった 」という事実そのものが父の精神に大きくのしかかってしまったのは事実で。。。
父はすっかり落ち込み、久々の私の帰省も心が宙に浮いている状態になってしまいました。


診察では、抗がん剤が効かないのに副作用だけ残るのでは本末転倒なので投与を中断もしくは薬の変更に関する打診を受けました。
しかしながら父の場合、今ではすっかり薬の副作用を感じない状態になっているので、2か月ぶり11回目のタキソテールを投与することに。

原発食道部にだけでも、タキソテールがまだまだ効き続けてくれますように。


***


ところで、私が実家から大分に戻ってきてから一切父と連絡を取り合っていません。

実は実家滞在中、父と少し言い合いになってしまったのです。


姉が二人の娘( 両親にとっての孫 )を連れて実家で暮らしているのは、以前ブログに書いた通りなのですが、姉が昼間働いている分、孫の世話を両親が見ている状態にあるのです。
下の孫はまだ3歳で、まだまだ手の掛かる幼児期。
それだけでなく姉が精神的に少し弱いこともあって、両親は父の病気以上に、姉家族のことで手一杯の状況なのです。

それに、今までも姉はいつだって両親に心配や面倒をかけっぱなしで、両親の関心や心配はいつも姉ばかり。
正直、私は「 あの子はお姉ちゃんと違って大丈夫だから 」と思われ、実際にもそう言われて育ってきました。

姉は某有名女子大在学中に学生結婚している上に、国際&出来ちゃった婚。
昔も今も一度も正社員で働いたことが無く、" 困ったときには、誰かが必ず手を差し伸べてくれる "と思い込んでいる、完全受動型人間。
総合大学出身、総合職&海外マーケットの荒波に揉まれまくってきたガテン系気質の私とは完全正反対なのは確かです。


けど、私だって初めての出産・育児で不安がいっぱい。
こんな時くらい、両親に気に掛けてもらいたいというのが本音。
そして、何故いつも姉だけ、、、という、拭うことの出来ない不公平感。

被害妄想かも知れないけど、私だけが一方的に父の病気の心配をし、両親の負担を想い、気張って過ごすことに空しさを感じているのが事実です。


そんな気持ちから、

「 私はパパのことを心配して、この1年間だけでも飛行機で4回も帰省してる。
パパもママも私が帰省すれば単純に喜んでくれるし、まだ子供のいない私たち夫婦に経済的余裕があると思っているかも知れないけど、車で2時間の距離に住む義両親のもとに行く頻度よりも多く実家に帰ってるのだから、相応の帰省費用が掛かっていることや、夫や義両親に対して私が気を遣っていることを、少しは気に掛けて欲しい。
その上、辛い不妊治療も孤独に頑張っていた私の苦労も察して欲しい。

パパもママも姉や孫のことがあって私の元へは行けないと言い訳ばかりだけど、私だって初めての出産で不安も多いし、来て欲しいと思う。
『 お姉ちゃんが・・・孫が・・・ 』って言い訳を聞かされるのは、精神的に苦痛。

私は出産に際して両親に面倒や心配を掛けないように一人で頑張るから、その分パパもママも、今後は私に期待しないで欲しい。
姉が頼りにならないからって、相続問題やパパの病気に関する対応を私に求められても、子供を産んだ後は今までみたいに力になれないと思う。 」

と言ってしまいました。

キツイ言い方をしてしまったと思うけど・・・ でも、全部本音。


今まで父は、「 頼れるのはお前だけだよ。 」と私に頻繁に連絡をくれていましたが、私の本音の告白が堪えたのか、この一か月弱、全く連絡は来ていません。

病気で精神的に弱っている父に対して、私は大人になりきれないひどい娘だと思います。
だけど、娘だから、病気の父に対しても、気に掛けてもらいたいという想いが拭えないのです。。。


なんなんでしょうね。
親子なのに、両親に対して無償の思いやりを与えることが出来ないちっぽけな自分。


とにかく、7月上旬に私は親元を遠く離れた九州の地で、初めての出産を控えています。
8月上旬には夫の転職に伴い、新生児を抱えて新天地への引っ越しを予定しています。
意地を取り除いても、本当に自分のことを考えたり行動するだけでいっぱいいっぱい。


両親に心配と迷惑を掛けないことが、今一番の親孝行。
そう割り切って、頑張ります。