ロスタイム。 | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。


2012年の7月、8月、10月の3クール、ファーストラインとなるシスプラチン+CPT11(イリノテカン)の投与を行って、全く効果が出なかった父。

その後11月、12月、1月、3月、4月の5クール、セカンドラインのタキソテールの投与を行って、奇跡的にガンの縮小が見られました。
( 副作用が強く出たので、2月は投与をお休みしました )


主治医は4月の診察時、
「 食道の小細胞癌でタキソテールを投与し、効果が出たのは初めての例ですよ! 」
と、びっくりした表情で父に話をしたらしい。

だからこそ、このまま癌細胞が消えるとは思えないけれども、今この時間は父の人生に与えられた貴重なロスタイムであることには違いないのです。


そしてそして、週末は現役時代の仕事仲間と一緒に1泊2日の旅行へと行ってきたのです。
(もちろん家族の付き添いなし)
それもなんと、神奈川の実家から甲府まで!!

この旅行企画が持ち上がったのは、去年12月に父が友人たちに自分の病を打ち明けたとき。
抗がん剤の副作用で免疫が下がっているので、寒い真冬は避けて、暖かくなった春に父を励ますための旅行をしようと働きかけてくれたのです。

正直、その話を聞いた時、私は春まで父が生きることが出来たとしても、旅行にいけるほどの体力が残っているとは考えることは出来ませんでした。

実際に行って帰ってくるだけで相当疲れ切ってしまい、夜通し宴会で盛り上がる友人を尻目に早々寝入ってしまったそうだけど、やりたいことを一つ一つクリアすることが出来るロスタイムが与えられていることに、家族ともども辛い抗がん剤治療を続ける意味を見いだすことが出来ています。

抗がん剤の副作用でメールを打つ気力も失ってしまった代わりに、電話で報告してくれる父の声に安堵する日々。
食欲も3月以降はだいぶ持ち直して、ラーメン1杯完食することもあるんだとか。
( 1月の帰省時は、3分の1を食するのもいっぱいいっぱいでした )

来週は大学時代の友人たちと熱川旅行に出掛けるそうです。
すごい!!


父の寿命を勝手に決めつけて、2013年の年賀状を作るのすら躊躇していたことや、ホスピスの予約をしていたこと、永代供養のお墓を探していた自分は、ちょっと気が早すぎたようです。。。


そして間もなく、母のお誕生日。

父に、

「 ママのお誕生日を、ちゃんとお祝いしてあげなくちゃだめだよ! 」

って言ったら、

「 自分のことでいっぱいいぱいで、ママのお誕生日をすっかり忘れてた~ 」

と笑う父。

「 声も元気で良かった! 」

と言えば、

「 声がでかいから、元気だと勘違いされちゃうんだよ!!
実際はメールも打てないくらいひどいもんなんだけど。。 」

と返してくるけれども。


GW明けくらいに実家に帰省しようと考えているので、会えるのが楽しみです。