拓也は研究室から送られたレポートを手にとって読んでみる。
自分の姉が死んで(この表現が正しいのかどうかは分からないが)そろそろ4時間半が経過しようとしていた。
「判定不能・・・・。」
その数枚の紙のレポートには先ほど回収した自分の姉の砂について書かれていた。
砂の物質は様々な検査にかけられたがどの判定機械も砂がどのような物質かを見抜けなかったのだ。レポートの最後には「この世の物質ではない」なんて書かれている始末であった。
他にもこの事件の関連性としていつぞやの妹思いの少年の出来事が書かれていた。死んだハズの妹を思ういい少年であった。
「こんなのじゃ話にならんのだよ。」
レポートをポイと無造作に自分の机の上に置く。
外では新たなUBが現れ街を荒らしているところであった。
「そろそろ淳が到着する頃合か?」
今いるsignalの自室の窓から街を見てみる。まだ青い巨人は現れていない。
「あいつはまだこないのか!何をのろのろしている!」
しまいには舌打ちをしてしまう程怒りはあった。
「人型のUB・・・・。黒い。」
目の前のUBはこれまでの動物的なイメージが全くない人間のシルエットであった。体の色も真っ黒であった。
「まるで青い巨人を黒く染めたようだな。」
顎に手を置いて考える。少し似ているだけだがもしかするとこの2つの巨人は関係があるのではなかろうか。それだけではない。これまでのUBの件だってそうだ。なぜ巨人とUBは対立しているのか。理由は分からなかった。
だが今窓から見える黒い巨人は青い巨人と仲間・・・・。
そこまで考えた所で目の前の黒い巨人のUBは右手に青い火球を作り出しとある方向へと投げつけた。
その火の玉はsignalの研究所へと直撃した。
青い巨人の攻撃はことごとく黒い人型のUBにカウンターされるが如く裏目に出ていた。
青い巨人が右でパンチを繰り出せばそれをかわされ、腹に蹴りを一撃食らわされ、口からまかれる火炎放射で炙られる。
「相手の方が何枚も上手だというのかよ!」
青い巨人と黒い人型のUBが戦闘を始めて2分。青い巨人は相手にパンチ一発ですら攻撃できていなかった。
あまりにも一方的すぎた。
黒い人型のUBは青い巨人の右肩に飛び蹴りを食らわせる。
かなり遠くへ飛ばされ、ドン!と衝撃と共に背中が地面につく。
右肩を抱えながらよろける青い巨人。肩で息をしていた。
それでも青い巨人は立ち上がる。フラフラと立ち上がったその姿からは強さというものはあまり感じられなかった。
先程から一方的な状態だったからか巨人はまともに立ってすらいなかった。
それでもなんとか持ち直し、肩で息をしながらも臨戦態勢を整える。
人型のUBは両手を胸の前に構えるが・・・・。
「・・・・!」
隆は絶望へと叩き落とす結果へとなる。
「巨人が倒れて動かない・・・・?」
巨人は力を失ったように倒れ込み、粒子となって空に舞い姿を消した。