猪木さんの訃報を聞き「来るべき時が来たか」というのが率直な感想です。
ここ数年、驚くほど痩せこけていた姿を見て、愕然としました。
私は猪木さんのファイトスタイルが大好きでした。
もちろん試合をたくさん見に行きました。
子供の頃、お小遣いを貯めてはプロレスに注ぎ込む毎日。
写真もいっぱい撮ったけど、ネガがどこに行ったか。
熱狂的なプロレスファンでした。
今のプロレスが嫌いじゃないけど、斜に見ちゃうのは、闘いに「怒り」が無い。
怒りがあるから、戦う意義があるので、ストーリー重視の今のプロレスが、なんか軽すぎて嫌だった。
よく揉め事があると、一般人に「あれはプロレスだから」と今だに揶揄されるのが本当に嫌でした。
だから猪木さんは世間と闘っていた。
猪木新日本は世間と闘う団体だったから、人気があった。
昨今「今のプロレスに戦いが無い」って、猪木さんが言ってました。
確かに今のプロレスは見栄えが良い、派手な技、マイクパフォーマンス、ファンサービス、全て良いけど、本質はそれで良いのか?
2010年、当時ももクロのマネージャーだった川上さんと話す機会があって、握手会の件について色々内部の雰囲気が悪くなっていたので、意見をしてみました。
「もう握手会なんてやめませんか?」と。
やっぱりそこで川上さんも抵抗がありました。AKB全盛の時代で握手会文化とまで言われてた時です。
その時に説得した言葉は、この猪木新日本プロレスです。
川上さんも大のプロレスファンだったので、こう言ってあげました。
「俺たちプロレスファンは、握手会やサイン会なんか無くても、毎週プロレスを楽しみに見てたじゃないですか!握手よりも熱いパフォーマンスですよ!そして新間さんが仕掛けたような毎回サプライズがあったから面白かったんじゃないですか!」と。
コレが響いたかどうかわかりませんが、ももクロは握手会などを辞め粘着かまってちゃんファンが遠のき、代わりに「モモノフ」というあの時の猪木信者・新日ファンのような熱いファンが付き一時代を築いた。
コレもまた「イノキイズム」なんです。
昨日の特番で猪木の試合を流す度に「この試合、会場で見たなぁ」とか、色々思い出すたびに悲しくなってきました。
Youtubeの猪木さんの動画。
あの姿は亡くなる直前の私の母親の姿と同じでした。
起きるのも辛いという事は、食事だけでなく、下の世話(排便など)も介護士さんにやってもらう事になってる。
本当に大変なんですよ。
見てるだけでこっちが辛くなる。
だから亡くなった時、苦しさから解放されたと思うと、「お疲れ様でした」という言葉が先に出る。
猪木さんに会いに行った方々のコメントに「お疲れ様でした」が多いのが、本当によくわかります。
猪木さん、あなたは最後までアントニオ猪木でした。
長い間、ありがとうございました。
そして、お疲れ様でした。
「燃える闘魂」よ永遠に。