今、韓国で日本の80年代アイドルが注目されていて、いろんなYouTuberの方に取り上げられている。
中でも、松田聖子と中森明菜が多い。
特に松田聖子は、あんな高音が出るのに苦しい顔せずによく歌えると感心しきり。
生演奏だから口パクできない環境での対応にも驚いていました。
私もよく見るJUJUさんのYouTubeです。
そして、こういう疑問がネット界隈に多かった。
「なぜ日本のアイドルは急激に歌が下手になったのだろうか?」
「いつから下手なアイドルが出てくるようになったのか?」
まず「いつから歌が下手なアイドルが出るようになったのか?」
たぶん浅田美代子が元祖じゃないかと思います。
女性では浅田美代子、男性では田原俊彦。
2人とも当時、漫才やお笑いのネタにされる程、音痴として有名でいじられてました。
田原俊彦に至っては、そもそもジャニーズはアイドル事務所じゃなくて最初は俳優事務所だったので、ジャニーさんはそれほど歌に力を入れて無かった。
郷ひろみやフォーリーブスは当たってはいたが、川崎麻世・JJSというグループは失敗した為、試行錯誤の繰り返しだった。
田原俊彦は金八先生で急に人気が出た為、声楽基礎が出来てないままレコードデビューさせてしまった。
今ではダンスや歌のトレーニングをきっちりやってないとジャニーズはデビューできないが、当時は見切り発車的な感じだった。
一方、松本伊代やおニャン子クラブ、宮沢りえなど、CMやテレビ番組企画でできたアイドルが主流となり、歌やダンスよりも愛嬌優先となった。
これがアイドル=愛嬌の始まりであり、現在まで脈々と続いてしまってる。
「なぜ日本のアイドルが急激に歌が下手になったのか?」
これには2つの要因があります。
1つ目は、その昔日本も韓国と同じ様に練習生システムを導入してました。
渡辺プロダクションの「スクールメイツ」後にキャンディーズなどを輩出する練習生システム。
ドリフ大爆笑でドリフターズと一緒に踊っている人達がスクールメイツです。
テレビ局も日本テレビが「バーズ」という練習生システムを入れてました。
バーズは、全国高校サッカーのテーマソングや初期の頃の24時間テレビの曲なども歌ってました。
ところが、先ほど書いたように、アイドル=愛嬌という時代の流れに勝てず、この練習生システムは崩壊していきます。
そして、事務所がいかにメディアに注目されるか?ばかりを考えるようになり、とにかくビジュアル重視に走ります。
基礎歌唱力やダンス力なんていらない、とにかく圧倒的なビジュアルと愛嬌。
これがアイドル歌唱力崩壊の1つの要因です。
そしてもう一つが「アイドルのアーティスト宣言」
松田聖子さんぐらいから、歌の上手いアイドルはアイドルと言われる事を拒絶する時代に入ります。
松田聖子・中森明菜・本田美奈子という歌唱力のあるアイドルが次々とアーティスト宣言します。
周りもアイドル扱いする事をやめて、アイドルがやる仕事を極力控えてアーティスト路線で売るようにします。
80年代後期のバブル絶頂の頃から、クラス分けされ、歌が上手い=アーティスト。愛嬌=アイドル。と分別されるようになります。
浜崎あゆみや、安室奈美恵もアイドル時代がほんの数年だけあったが、すぐにアーティスト路線に行った。
意識高い系という言葉があるように、愛嬌を売りにせずパーフォーマンスで勝負する。
これがアーティスト系と言われるようになった。
以上の二つが現在の日本のアイドル界歌下手問題の要因となっています。
そしてこの後。
90年代から歌が上手いけど注目されないアイドルは、バラエティーアイドル通称バラドルとして新しい境地を迎えます。
お笑い芸人がやるような過酷なリアクション芸をアイドルが行う。
ビジュアル系の井森美幸、歌唱力系の森口博子・山瀬まみ・松本明子のバラドル四天王時代がきます。
そして現在。
このバラドルと愛嬌を両方できて、尚且つ握手会などの接触型イベントを行えるのがアイドルの基本となっています。
接触型万能芸=アイドル。
非接触型職人芸=アーティスト。
この2極に分かれてるのが、今の日本のアイドルの状態ではないかなと思います。
そもそも、テレビで歌番組自体が日本は少なくなってるのが現状です。
歌やダンスを覚える事よりも、お笑いの「間」の取り方覚えた方が、バラエティー番組などで仕事になる。
これも歌唱力の低下につながる要因だと思われますね。