8月の余一会という事で平日の月曜日の昼の部の「新宿末廣亭 古今亭圓菊一門会」に行ってきた。
去年からおかしなシステムになってしまい全席指定で前売り券と当日券が同額、噺家さんに事前に前売り券を頼んでおいても何故か後ろの席、しかも当日券を買ってる連中が一番前に座っているというようになってしまった。今年もこの妙なシステムだった。
丁度前日の末廣昼席が一杯のお客さんだったのに対して少し残念なお客さんの入りだった。やはり平日の昼っていうのはなかなか難しいんだろう。思えば第一回目の末廣亭での一門会は二階席までいっぱいで立ち見のお客さんもいた。

後ろの席から前の方があんなに空いてるのに勿体無いなあと眺めていると、一緒に観に行った人のお友達が当日券で入って来てスーッと前の方に行って着席した。
一体このおかしなシステムのメリットは何かと考えたが、お客にも噺家さんにも寄席にもデメリットしか思い浮かばない。

演者の方々は一生懸命にやってくれた。

前座さんに続き、普通では考えられない菊之丞さんがトップバッターで「親子酒」を演った。この一門会の順番は香盤は関係無いようでそこも面白かったりする。師匠圓菊師の事も所々入れ、いつもの様に艶のあるいい高座だった。

続いてちよりんさんで「真田小僧」である。自分はやはり声が気になる。女流の方は音域の幅が狭く高いところで高止まりしている印象がある。これは実は女流の方だけでは無く、今の正蔵さんなんか典型だと思うが男の噺家さんにもある。その分面白いマクラなりを持ってこないと難しいのかもしれない。講談の貞鏡さんが発声の問題を克服したように思う。発声に限界があるのなら実際の周波数帯なんか気にせず、あたかも低い声から高い声が出ているように感じさせればいい。頑張れ、ちよりんさん!

続いてはぺぺ桜井さんのギター漫談だ。何度聴いても笑ってしまう。ぺぺさんのは本当にギターが上手く、このギターの上手さの上にお笑いがある。言ってみればギターという基本がしっかりしているので全体に厚みが出る。ぺぺさんが登場しただけで笑ってしまうとは凄い事だ。

さて続いては我等が菊龍師匠で「鉄拐」だ。何を演るのかと思っていたが「鉄拐」とは思わなかった。この噺自体あまり演る人がいない珍しい噺だ。
今回は時間の関係だろうかマクラ無しでいきなり噺に入った。この日出演のぺぺさんやマギーさんなども入れて楽しい噺になっていた。
ただ鉄拐仙人の気難しさがいつもより無かったように思う。自分は鉄拐仙人というのは談志師のようなイメージがある。ま、これはあくまでも個人的な見解だが。しかし、面白かった。サゲは李白と陶淵明では現代の人にはあまりにも解らな過ぎるので師匠の場合その時々にあった名前にするので話題の大塚家具の社長親子とかロッテの兄弟でもいいとおもうが、大島渚と野坂昭如となっていた。ざっと客席を見回して年輩のお客さんばかりなのでそちらのほうがインパクトがあるとの判断だったのだろう。お見事でした!

さて続いては菊千代さんで「厩火事」だ。
やはり師匠圓菊師から教わった一番印象に残る噺ということでのネタ出しである。菊千代さんは圓菊師からただ一人手話落語も継承していて、より圓菊師の教えに忠実にとやってこられたお方かもしれない。一生懸命演るという点では菊龍師匠と同じで好感が持てる。

お仲入りということでここで失礼させていただいた。

いい噺を聴かせていただいた。

今回は菊丸さんも文菊さんもいなかったので若干寂しい感じもした。

今の落語会を見渡した時に古今亭が圧倒的な力を持っているとは言い難い。このところの協会の役員人事をみても柳家だの三遊亭がだのが幅を利かせている。
古今亭ファンとしては是非とも結束力を強くして古今亭の粋なところをみせていただきたい。

亡くなった圓菊師匠、志ん朝師匠、更には志ん生師匠が観てもあの世でニンマリ笑ってくれるようないい会に育つといい。お三方の願いは一人でも多くのお客様に楽しんいただける会にすること、それのみだろう。

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