後見制度支援信託の指示が出された場合、一度我々職業後見人が親族後見人の方と共同で後見人に就任するケースが多いと思います。


就任後、実際に金銭信託をする際の手続きとしては、関係書類をすべて揃え、信託銀行にもよりますが郵送もしくは信託銀行の窓口で口座作成の手続きをします。職業後見人が信託の指示を受けていることから、一旦は職業後見人の名義で口座が作成されるのが実務上の取り扱いのようです。なので、我々職業後見人が、信託銀行の信託契約書等に記入をすることになります。信託銀行の静かな別室で、銀行員と親族後見人の方が見守る目の前で、黙々と書類を記入することもあります。ちょっと緊張します。


そういえば、試験問題を解答しているときもこんな感じだったことを思い出しました。不動産登記だけではなく、後見業務でも、こんな場面があるのですね。きわめて実務的な瞬間です。

遺言の原案がありました。


その時、依頼人は「遺言をしっかり書きたい」という強い要望をお持ちでした。お知り合いからの紹介ということもあり、普段あまりやらない仕事でもありましたが、お引き受けさせていただきました。


遺言の原案といっても、どうしたいかの聞き取りに時間がかかります。また、お話しを聞き取っている最中に、依頼人のお考えが変わる時や、どうしたら良いか分からなくなってしまう時もあります。


数日かけ、その仕事が終わった後、夕焼けを浴びた病室のロビーで、「達者でね。」とお声を掛けてくださったのをいつまでも覚えています。


ずいぶん前に完成したその遺言でしたが、今般、その、自分で起案した遺言にて遺贈の登記申請をさせていただきました。


依頼人の当初の意思通り、無事に不動産の登記が完了しました。多分、依頼人が生きていたら、私に「ありがとね。」とでも言ってくださっていると思います。






この時期、ちょうど良い季候で、施設訪問をする道中、爽やかな気分を味わうことができます。自然と鼻歌が出てしまう気分の良さです。だけどちょっと寒いです。


被後見人の入所施設を訪問する時、たまに、入所者の方で、全く面識のない方から話しかけられる時があります。お年を召された方で、お話しがお好きな方だと思われます。


ロビーの雰囲気がまったりしています。ロビーのソファに一緒に腰掛けて、数人の方とテレビを見ていました。


「今、うちの娘が家で泣いていて、すぐに家に帰らなくてはいけないんです。」


私「?」「そうですか、それは大変ですね。早く家に帰ってあげてください。」


すると、施設の職員の方が、その方のそばで優しく付き添って下さいました。家に帰るということは何かの勘違いだと思いますが、付き添いの職員の方がすぐ来てくださったのでご本人も安心した様子でした。