「光る君へ」第17話~中関白家崩壊への歩みがついに始まった | 前世はきっと平安貴族

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歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

道隆が死んだ。

 

飲水病(糖尿病)の悪化が原因だ。

 

当時の酒は今よりも不純物が

多かったので糖尿病となる

リスクが高かったそうだ。

 

ちなみに道長の死因もこれ。

 

現代でさえ厄介なこの病、

何の手だても無く進行に任せる

しかなかった道隆の苦しみは

どれほどのものだったか・・・。

 

しかし、そのような事情を加味

しても今回の道隆の見苦しさに

ついては首をひねらざるを得ない。

 

一条に対しては幽鬼のような形相で

「伊周を関白にぃぃ~!」

と、脅迫まがいのふるまい。

 

果ては御簾の中にまで入り込もうと

する無礼さ。

(驚く一条だったが、こんな時でも

品のある美しさ)

 

定子様に対しては

「何故皇子を産まぬのか?

皇子を産め~!皇子を産め~!」

と連呼。

(さすがの定子様もムッとしたご様子)

 

そして憎んでいるはずの道兼を

病床に呼びつけて

「遺された家族に酷なことを

しないでくれ」

「我が家を・・・頼む」

と、必死で懇願する有様。

 

(大丈夫よ。道兼にそんな時間は

遺されていないから。

それよりもそのお願いは道長に

するべきだったわね・・・と、後の歴史を

知っている我々はそう思う)

 

 

道隆、ほとんど錯乱状態だ。

 

イケメンだったと言われる道隆。

粋で明るくて楽しい事が大好き

だった彼がここまで見苦しいさまに

描かれた事を残念に思う。

 

無類の酒好きだった彼は、その

臨終に際しても念仏を唱えるどころか

「極楽には飲み仲間の済時や

朝光たちもいるだろうか」と

冗談を言うほどだったという。

 

最期までネアカだったのだ。

 

ちなみに朝光は道隆の死の

20日ほど前に疫病のために命を

落としている。

 

 

995年(長徳元年)4月10日

藤原道隆死す。

享年43。

 

 

積善寺供養のエピソードもドラマで

取り上げてほしかったけど

やらなかったね。

 

私としてはこの道隆像に対して

「違うんだけどな~」という

思いが拭いきれないのだけれども

ドラマ的にはこの方が盛り上がるん

だろうなという事は分かる。

 

女院・詮子の「バチが当たったのね」

という言葉もアンチ道隆派にとっては

小気味良い響きであろう。

 

史実とは切り離してこれもひとつの

娯楽番組だと思えば楽しめない

事もないわね。

 

 

とにかく今回は

井浦新の迫真の演技に

拍手を送りたい。

 

道隆の病状がどんどん悪くなり

死に向かってゆく様はまるで

井浦新は本当に病気なのかと思う

くらいリアルだった。

 

お疲れ様でした。

 

 

それにしても道隆はさすが兼家の

息子だと思った。

 

その1

手にした権力を他の兄弟には

絶対に渡したくないという執念は

その昔、父兼家とその兄通の骨肉の

争いを思い起こさせる。

 

その2

この親子は何故か臨終間際の床で

かつて妻(妾)から贈られた歌を

詠み上げる。

 

兼家は寧子からの、道隆は貴子

からの歌だ。

 

この家にはそういうしきたりでも

あるのだろうか?

 

ならば次の道兼の場合は

どうなるのか楽しみだ。

 

 

 

そして今回

定子様、まさかの豹変!

あのような定子様は観たくなかった。

 

「あの女院様から我が身を守り、

帝をお守りしているうちに

強くなりました」って?

 

「20年ぶりでも何でも、内覧に

なってしまえばよいのです」と?

 

「私からも強く帝にお願いする」と?

 

私の中の定子様像がガラガラと

音を立てて崩れてゆきました・・・絶望

 

こんなセリフ、母・貴子に

言わせれば良かったのに!

 

夫が倒れて将来を不安視した貴子が

伊周に働きかけるのであれば

極めて自然だと思える。

 

もちろん私は定子様が世情に疎い

ただのお姫様であってほしいなど

とは思っていない。

 

しかし詮子にイビられて強くなった

とかいうのはまるで「渡鬼」の

泉ピン子ではないか。

(大体、あの程度の事で大袈裟な)

 

何が何でも兄・伊周を内覧に

してしまえばいいという傲慢さにも

驚くばかりだが、一条帝にも強く

お願いするという厚かましさには

観ているこちらの方が

恥ずかしくなった。

 

伊周はといえばそんな定子様を

「男であったら俺なぞ叶わぬやも」

と褒めそやす。

 

いや、男じゃ皇子を産めないから

困るでしょ。

 

 

ああ、でもそうか・・・

これは娯楽番組なんだったわね。

 

だから貴子よりも定子様に

言わせた方がウケるのよね。

 

 

ウイカ納言が出て来たのは

嬉しかったが、斉信との恋の

場面だった。

 

ええと・・・何でこのタイミング?

そのような話は確かに枕草子に

仄めかされてはいるが

何も中関白家の一大事を前にして

そんなエピソードをぶち込まなくても。

 

 

あ!娯楽番組でしたっけね?

いやだ、また忘れるところだったわ。

 

 

 

今回は一条天皇の成長ぶりに

静かな感動を覚えた。

 

道隆が伊周を強引に後継者に

しようと度を超えた懇願に対して

 

「下がれ!」と。

 

その直後、蔵人頭の源俊賢に

気持ちを吐露する一条。

 

悩む一条はもう子どもでは無い。

 

天子としての自覚を持った

立派な大人だ。

 

女院・詮子が

「定子に首根っこ掴まれている

ような帝、見たくない」と

言っていたが、アンタは全然

息子の良さが分かってないね~と言いたい。

 

内裏で公卿達がひそひそと

「帝はお若い。心配だ」

などと話しているのを御簾の陰から

そっと聞いていた一条。

 

その目は賢帝になろうとしている

まっすぐな光を感じさせた。

 

藤原行成が一条天皇に認められて

蔵人頭に大抜擢されたエピソードも

こうした御簾の陰からであったので

是非ドラマでも取り上げてほしいと

思っている。

 

 

 

===まひろと三郎への独り言===

 

 

その前に今回は「さわ」について

ひと言書きたい。

 

さわは先週とは打って変わって

まひろにとことん謝罪して来た。

 

その上で改めてまひろに友情の復活を

申し込む。

 

「私の友はまひろ様だけなの

でございます。末永く末永く私の友で

いてくださいませ。」

 

 

いやアンタ先週何て言ったよ?

 

「まひろ様は私の味方だと信じて

いましたけれど、それも違いました」

 

「これ以上私を惨めにさせないで

ください!」

これ以上って過去に何かしたっけ?

 

道綱の想い人が自分で無かった事で

まひろに八つ当たりしたよね?

 

何も分からず困っていたまひろは

それでも手紙を書いてさわの心に

寄り添おうとしたけれど、その手紙も

返して来たよね?

 

そこまでの事をしておいて今更

「また仲良くしてくださいませ」

って言われても・・・。

 

私なら無理だわね。

 

大体、まひろが疫病で死んじゃって

いたら、さわは謝罪の機会を永久に

失ったわけで。

 

あまりにも軽薄な理由で感情的になり、

一方的に絶交した事への罪は重いぞ。

 

こういうタイプの女は

コンプレックスが強く、勝手に自分を

被害者に仕立て上げて悪態をつくから

面倒だ。

 

しかも何が原因でスイッチが入るのか

分からないから、こちらとしては

地雷を踏まぬよう常に緊張する羽目に

なる。

 

もし私がまひろだったら

もうお付き合いは

御免こうむるところなのだが・・・。

 

 

とまぁそんな事があった後、まひろは

「書く事」に目覚めたようだった。

 

自分を看病してくれたのが

道長だと聞いて改めて想いを

募らせるまひろ。

(乙丸が元気で良かった)

 

今回の月も半月お月様

上弦の月だ。

 

前回まひろが疫病で苦しんでいた

時もたしかこの月だったような?

 

そうするとあれから丁度

ひと月ばかり経った事になる。

 

同じ月を三郎も見上げており、

2人の絆をここで描写。

 

今回はそんな感じでした。

 

 

=============

 

 

伊周が、故太政大臣の三番目のお

姫君に通っている事を弟・隆家に

語っておりましたね?

 

故太政大臣とは藤原為光。

そう、この人の三番目の姫君とは

あの花山天皇が偏愛した女御・忯子

の妹さんでございます。

 

ああ~!

道隆が死んだばかりだというのに

伊周に不吉な事件の

ニオイが~!

 

あの花山法皇が妖しい笑みと

ともに帰って来ますよ~ん。

お楽しみにニヤリ

 

 

来週かどうか分からないけどねあせる