個人的にここ最近のアニメの中では覇権だった作品、「凍牌〜裏レート麻雀闘牌録〜」が終わった。
本作は、未成年の少女がぶん殴られたり、主人公の指が切り落とされたり、同級生の手がアイスピックでテーブルに固定されたりする麻雀ギャグアニメである。
作中では終始トンデモナイことが起こるのだが、そのショッキングな内容を意図的な雰囲気でシリアスな笑いに昇華させていくという大変奇妙な作品となっていた。
わたし自身は何年か前に原作の1巻だけ読んだことがあったが、読んでいると気分が悪くなる内容の上、主人公の決め台詞がことごとくこちらを凍結させてくるため、とても読み続けることはできなかった。
その点、アニメはそれらに対する理解度がとても高く、シリアスな内容は内容をほぼそのままにしつつも深刻感を減らし、主人公の決め台詞もなるべく抑えている。そのため、劇的に見やすい作品となっており、その辺りは非常に衝撃的である。
作品そのものの内容は、いわゆる何でもありの裏麻雀。麻雀漫画によくいる超能力者がしのぎを削っているタイプである。はっきり言って、麻雀を知らない人が見たら色々と誤解しそうなところもある。しかし、その辺りは本筋ではなく、見所は主人公が相手の能力を読んだりイカサマを見破ったりするところにあるので、あまり深く考える必要はそもそもない。また、麻雀の打ち方で参考になるところもない。
なぜ、このタイミングでこの作品がアニメ化したのか。なぜ、2クールもの枠を取ることができたのか。
そのあたりはとても不思議なのだが、製作スタッフの本作への理解度と情熱が本物だったことだけは確かだった。