貴志祐介さん『黒い家』を読みました。
ミステリーだと思って読んだのですが、ホラーとミステリーが8:2の、ホラー小説でした。あれー。

黒い家 (角川ホラー文庫)/貴志 祐介
¥700
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**あらすじ***
保険会社に勤める若槻は、死亡保険金の請求に関する業務を担当している。
ある日、外交員の対応が悪いという苦情をうけ、若槻は顧客である菰田の家を訪ねた。
町の家並みから明らかに浮いた、異臭のする古びた屋敷をみて、若槻は奇妙なデジャブを体験する。
この家に入ってはいけないーー咄嗟に彼は帰ろうとするが、菰田に呼び止められてしまう。
案内された家の中で、若槻は菰田の息子、和也が首を吊っているのを発見する。
驚く若槻が振り返ると、奇妙なことに菰田は息子ではなく、淡々と若槻を観察していた。
その態度に、これは保険金を狙った殺人ではないか? と疑問を抱く若槻の周囲で、
次々と不穏な事件が起こり始める…
*********

死体やら腕の切断やら、グロテスクなシーンが多いです。
特に和也の縊死体を発見するシーンは、本当に気持ち悪い。
金石が活躍するのかと思いきや、あっさり殺されてしまうのもショック。
うーん、よくこんな話を創れるなぁ、と感心してしまいました。

最後が何とか明るく?まとまって、ほっと一安心あせる

ホラー小説としては、よく作りこまれている作品だと思います。

でも、私はもう一度は読まないですね。だって、怖いもの。☆3
伊坂幸太郎さんの『死神の精度』(短編集)を読みました音譜
死神の精度 (文春文庫)/伊坂 幸太郎
¥570
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結構分厚いから、読み切れるかなぁと心配でしたが、なんのなんの、
伊坂さんの軽い文体ですいすいと読み終えることができました。

あらすじ****
死神の千葉は、人間の死を査定する仕事をしている。
近日死ぬ予定のある人間を訪ね、その人間が死んでも良いか否かを調査するのだ。
調査は一週間行い、8日目に「可」の判定を受けた人間には「死」が実行される。
これは、千葉が調査を行った6人の人間との、それぞれ一週間の交流のお話。
********

↓の部分がすごくハマりましたにひひ
殺人犯の森岡に脅される(という形をとって)、死神の千葉がご飯を奢る場面。

食事を終えると森岡は、膨れた腹を抱えて、立ち上がった。二人で食堂を出る。
「すげえ腹一杯だ。まじで、死にそうだって」と臍のあたりを撫でている。
「そうか死にそうか」と私は相槌を打つ。「その通りだな」
(単行本 「旅路を死神」 P262)

短いセンテンスがテンポよく、ストーリー展開もミステリー要素を含んだり恋愛要素を含んだりと様々で、
読んでいて楽しい気分になりました。

「恋愛で死神」のラスト(片想いの青年がようやく女の子と仲良くなりかけるところで死んでしまう結末)
だけが、なんか冷たい終わり方だなぁと憤慨しましたが、
「死神対老女」で、70歳となった女の子が再登場したので、ちょっと感動。

千葉の、中途半端でない優しさに、とても好感が持てました。

伊坂幸太郎の登場人物は、クールなようで案外優しく、男女問わずしたたかな人が多い印象があります。
だからなのか、読了感が気持ちいいです。

ぜひ、まだ読んでいない他の作品も読んでみたいと思いました。 ☆3.5

(余談:作品解説に書かれていましたがが、「旅路を死神」に出てくる塀に落書きしていた少年は
『重力ピエロ』に登場した春くんだそうです。)

職場の先輩が、昨日の「龍馬伝」のタイトル、

「龍馬の休日」は「ローマの休日」とかけているに違いない!

と言い張っているのですが、

そんなことはNHKの名誉にかけて絶対にありえないだろう、

と思っています汗

梨木香歩さんの新刊『ピスタチオ』を読みました音譜
ピスタチオ/梨木 香歩
¥1,680
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あらすじは下記の通り。***
主人公、棚、はフリーのライター。以前は出版会社につとめていたものの、作りたいものを作れないストレスを感じて退社し、その後アフリカで過ごした経歴を持つ。
アフリカで過ごした半年は楽しいものであったが、家族の都合で帰国して11年がたち、既に憧れの大地は遠い記憶となっていた。

3月、春一番が吹き荒れた翌日、飼い犬のマースの体調がおかしくなっていた。
どうやら原因不明の病気にかかったらしく、棚は動物病院に連れていくことにする。
診察の待ち時間の間に訪ねた古本屋で、かつてアフリカで出会った片山海里の本を購入する。
その後しばらくして、マースの症状が、「ダバ」という症状と符合することを知る。
アフリカの呪術師と交流があったらしい片山と話をしてみたいと思うが、片山は日本へ帰国してすぐ、亡くなっていた。そして、彼を案内したガイドも亡くなっていることを知る。
時をおかずして、アフリカへの取材旅行の話が棚にくる。
棚は何かに誘われるように、アフリカのウガンダへと旅立つ…
**********************


非常にまわりくどい話で分かりづらいですが、要するに主人公がアフリカに行き、アフリカの神秘にふれる、という話。あぁ、こういう風にまとめると、身もふたもないですなぁ…。

途中で舞台が、日本からアフリカに変わります。
後半、棚が送るアフリカの生活が想像しづらく、なかなか理解できませんでした。
それが、読み進めない、と感じた理由でしょうか。

それを差し置いても、梨木さんの正しい文体には好感がもてます。彼女ほど、正しい日本語を使う作家さんはいないのではないか、と思うくらいきちんとした文章をかかれます。
それに、なるほど、こういう世界もあるのだろうか、とアフリカが少し好きになりました。

まあ、私は、彼女の『渡りの足跡』など、エッセイのほうが好きです。
☆☆☆☆
引き続き六本木ライブラリーで読書。

ヒルズでは、アフラックのカフェが期間限定でオープンしています。
やーん、かわいい~ラブラブ
ストラップや携帯クリーナーを配っていたので頂きました。

deaurentur pilulae-ニャフラック


今日は佐藤多佳子「一瞬の風になれ」と本多孝好「at Home」を読みました。
一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--/佐藤 多佳子
¥1,470
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「一瞬の風になれ」はさすがは本屋大賞受賞作、といった、読んでいて爽やかな気分になる作品でした。
あらすじは下記の通り。

天才サッカープレイヤーを兄にもつ神谷信次が主人公。兄と同じくサッカー選手だった信二は、自分の才能を見切り、高校入学と共にサッカーを諦めてしまう。
最初は何もする気になれなかったが、同じ高校に進学した幼馴染であり天才スプリンターである一之瀬連と陸上部に入部。
顧問の三輪先生や部員たちと共に、ただ走るという単純ながらも難しい、陸上競技にのめりこんでいく信二の高校生活を描いた作品。

信二の、不器用ながらもひたむきに努力する姿勢に感動。
兄に比べて自分はこんなだけど、という挫折感を克服し、
ショートスプリンターとして活躍する3年の夏の場面には、私も熱くなってしまいました。
3巻で、「ひとを羨ましがっても意味がない」という信二の言葉に、成長したな~、と涙。。

佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」でも、主人公は典型的な努力型でした。
著者さんは努力する人間が好きなんでしょうね。こちらも読んでいて、本当に楽しい気分になります。
努力する、ということの大切さ、難しさを教えて頂きました。

同じスポーツ競技としては、あさのあつこ「バッテリー」があるかと思うのですが
あちらは天才ピッチャーと努力型のキャッチャーを描いた作品なので、少し視点が違うのですね。

まあ、どちらも素晴らしい作品だと思います。☆☆☆☆

「at Home」は乙一絶賛、ということで三省堂書店で購入しました。

at Home/本多 孝好
¥1,575
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ちょっと変わった家族の交流を描いた作品です。
うーん、面白いけど、短編ということもあり、他の作品と比較して、かなり面白い、というわけではなかったです。。
こういう題材なら、乙一さんに書いてもらったほうが面白い気がするけどなぁ。
なんだろう、普通でした。☆☆☆