仁吼義侠 -6ページ目

仁吼義侠

弱音さえ口に出せない すがり寄ればまた裏切られる


「こん0502[に]ちわ、はじめまして!」(Salut, enchanté!)

差し出した手を――
嗚呼…可愛い私のお姫様(étoile) 小さな指で懸命0502[に]握り返してくる
あなたの歩む道程が 輝くよう0502[に]『星』(étoile)と……

ある雨の朝…いつものよう0502[に]少女が目を覚ますと…
寝具(ベッド)の横0502[に]は優しい父親…そして大きな黒い犬が居た…
雨の匂い…くすぐったい頬…どこか懐かしい温もり…
小さな姉と大きな妹…二人と一匹…家族となった特別な朝……

嗚呼…私は星を知らない 遠過ぎる光は届かないから…
嗚呼…僅かな視力でさえも 何れ失うと告げられている…

ごめんなさい(Excusez-moi)…お母さん(ma mère)…この名前(ce nom)…
どうしても好き0502[に]なんてなれないよ…(Je ne peux pas, c'est absolument de m'aimer )

嗚呼…ごめんなさい(Ah…excusez-moi)……

勇気を出して――

嗚呼…Pleutと屋外(そと)へ出たけど 歩く速度が抑(そもそも)違うから…
嗚呼…暗闇0502[に]沈む世界では ちょっとした段差でも転んでしまう…

ごめんなさい(Excusez-moi)…父さん(mon père)…この両眼(ces yeux)…
どうしても好き0502[に]なんてなれないよ(Je ne peux pas, c'est absolument de m'aimer )…

嗚呼…ごめんなさい(Ah…excusez-moi)……
細い革紐(harnais)じゃ――
心までは繋げないよ…愛犬(Pleut)が傍0502[に]いたけど…私は孤独(ひとり)だった……

別々0502[に]育った者が…解り合うのは難しい…
ましてや人と犬の間であれば…尚更の事である…

それからの二人は…何をする0502[に]も何時も一緒だった…
まるで…空白の時間(とき)を埋めようとするかのよう0502[に]…
姉は甲斐甲斐しく妹の世話を焼き…妹は姉を助けよく従った…

父の不自由な腕の代わり0502[に]なろうと…何事も懸命0502[に]…
其れは…雨水が大地0502[に]染み込むよう0502[に]しなやかな0502[に]…
根雪の下で春を待つよう0502[に]…小さな花を咲かせるよう0502[に]…

急0502[に]吹いた突風(rafale)0502[に]手を取られ…革紐(harnais)を離したけど…
もう何も怖くなかった…『見えない絆』(ほしくずのharnais)で繋がっていたから…

弱い姉だ――
それでも嗚呼…ありがとうね…妹(Pleut)が傍0502[に]いたから…
私は何処へだって往けた……
大好きだよ…妹(Pleut)が傍0502[に]いたから…私は強くなれた……

星空0502[に]抱かれて夢を見た…あなたが産まれてきた朝の追憶(ゆめ)を…
銀色0502[に]輝く夢の中…零れた砂が巻き戻る幻想(ゆめ)を…
嗚呼…何の為0502[に]遣って来たのか…最期0502[に]判って良かった――

忘れないよ(/で)…君(/はは)と歩いた…暗闇(/くるしみ)0502[に]煌めく(/ゆらめく)世界を…
いつだって…嗚呼…人生(せい/あい)は星屑の…輝き(/まばたき)の中0502[に]在ることを……
祈りの星が降り注ぐ夜 → 黒犬(Pleut)は静か0502[に]息を引き取った…
悼みの雨が降り注ぐ朝 → 冷たくなった彼女の腹から取り出されたのは
光を抱いた小さな温もり → 黒銀の毛並みを持つ子犬だった

――そして《物語》(Roman)の翼は地平線を軽々と飛び越えるだろう
やがて懐かしくも 美しき あの《荒野》を駈け廻る為0502[に]……



(其処にロマンは在るのかしら?)



「父さん、母さん。私、あの人と東京で暮らすことにしました。

馬鹿なことだとは十分解ってます。

私だってもう子供じゃありません。自分で考えれます。

ごめんなさい。最後のわがまま許して下さい…」



愛する人が今の私の全てです

貴方がいるから私が私でいられるの

あの日貴方から渡された東京行きの切符と

打ち明けてくれた、将来と夢は

「この町を出て東京で一緒に暮らしてくれないか?」

私は少し戸惑いながらも嬉しかった

不安なんて少しもなかった 愛する人が一緒ですから

辛い時や寂しい時も多少あるでしょうが

頼る家族も捨ててきました 馬鹿な甘えや未練も全部

貴方との新しい人生と夢の為に

貧しさが身に染み渡る だけど貴方が居るから

帰りを待つ時間さえも幸せで溢れてる

心をこめて作った貴方が好きな料理

喜ぶ顔が早くみたい… 見たいです



「東京の生活にも慣れてきました。

あの人は毎日夜遅くまでお仕事頑張ってます。

そのせいでしょうか。最近元気が無い様に思えます。

私が聞いても、ただくたびれた笑顔を見せるだけで

答えてくれません。心配で仕方ないです。」



「ただいま」



とても優しいあなたの声

辛いときはいつも二人で支え合った

どんなに不幸でも二人なら大丈夫だった

愛が覚めたわけじゃない ただお互いの気持ちが

そっぽを向いてただけ

はじめてあなたが泣いてた 社会に破れた夜

なんて声をかけたらいいか、、、教えて

夢のために無くした幸せな家庭は

前を向けずただ悔しくて泣いている

貧しさが身に染みる 二人は手を取って

季節外れの線香花火を見つめてる

この火種が落ちて 未練がなくなったら

目を閉じて極寒の海へ、、、二人で。

繋いだ手がほどけて 無になる私と貴方



「貴方と過ごした十三ヶ月間。本当に色々ありましたね。

一緒に居たからよく解ります。頑張りすぎて疲れたでしょ?

もう大丈夫 私ずっと一緒に居るから。ごめんね父さん、母さん。

あたしこの人無しじゃ生きて行けない。心配させてごめんなさい。

ごめんなさい。ごめんなさい…」






ねぇ またそうやって 僕の顔色伺って

傷つけない様にって言葉探してるでしょ



「信じ合えないのは...?」君のせい?

「信じられなかった...?」僕のせい。



僕が笑う度に君は寂しそうな顔してる

僕が辛い時君は笑えているかい?

そう また僕は君の言葉から逃げて

君の傷を深めて君の居場所 奪ってた



「気付いてやれなかった?」そうじゃない

「気付かない振りして」逃げてるだけ...



何度も聞こえた僕を呼ぶ君の声

僕はまた耳を塞ぎ無言の言葉を…「 」



君が僕を求める度 この心は剥がれていく

君は必死に言葉を探す たった一つの居場所だったから

君が僕を愛する度 この気持ちは剥がれていく

君の生きる支えとなった 居場所にはもう戻れない



戸惑うままの君へ もういとは切れているのに



何度も何度も僕を呼ぶ 繋いでとなく君の着信音

何度も何度も思い出す 卑怯な僕を許さないで

何度も何度も泣かないで 僕じゃ君を愛せないから

何度も何度も願うのは これ以上愛さないで

こんな僕を恨んで欲しい 思い出になんてしないで

こんな僕を忘れて欲しい



この歌は君への最後の花であり 最後の愛でもある

なにより卑怯な自分に気付いた瞬間である