巨大ザメMEGを撃退した男、ジェイソン・ステイサム。
今では「問題はひとつずつ。ひとつ解決したら次に進む」をモットーに、今では海洋研究所を拠点に、海洋環境問題解決に取り組んでいた。
主に暴力で。
ある日、人類未達の深海へ調査に向かうと、そこには謎のハイテク研究所が!
怪しいにおいがする海溝にいたのは、レアアース無許可採掘業者だった。
証拠隠滅を目論み、研究所もろとも爆破して逃げようとする採掘業者。
その影響でステイサムの乗る調査ポッドは大破! 海底で足止めを食らってしまう。
そして困ったことになんとステイサムの研究所内部にも採掘業者のスパイがいた。
また、爆破の影響で海底の層が乱れ、現れるはずのないMEGが出現。しかも3匹!
さらに乱れた層から、現代に存在するはずのないその他巨大海洋生物軍団もちゃっかり出現!
さらにこの期に及んでビジネスパートナー、ウー・ジンのペットのMEGが研究所から脱走!
という具合に、常人なら確実にキレてしまうレベルで同時多発的にトラブルが巻き起こる!
さすがのステイサムも「問題はひとつずつ解決」とか行ってる場合じゃないくらいに参ってしまう(実際途中から言わなくなった)。
が、そこはステイサムである。
「こうなったら仕方ねえ。やってやる」と、開き直って殺意むき出し!
・MEG3匹を相手にチキンレース
・悪徳採掘業者とのステゴロ勝負
・波乗りステイサムのモリ投げ大会
と、あっちへこっちへ動きまわって確実に、またこちらの予想を上回る方法で海洋モンスターズと戦うステイサムに観ているこちらも元気をもらえます。
また、ステイサムの脇を固めるキャストもパワーアップ。
かつて"宇宙最強の男"ドニー・イェンと戦った、ウー・ジンおじさんが強いのは当然としても、
前作から引き続き登場のDJはなぜか戦闘力が上がっており、武装集団やモンスターズにあたふたするものの確実に仕留められるようになっています。
そんな中、ステイサムの一番のおともだち、クリフ・カーティスおじさんは、前作に増してかわいさ爆発。
無茶するステイサムを心配し、言うこと聞かないウー・ジンに困り、急に強くなってたDJに驚き、眉の下がった困り顔のまま終始「およよ~」とあたふたする姿は、ムチャの連続でハチャメチャな映画に柔らかなギャグを入れてくれるナイスなキャラクターです。
さらにエンドクレジットも見逃せないですよ。
エグゼクティブプロデューサーになんとステイサムの名前が!
「MEGが海面から顔を出すだろ? その勢いで大波が立つんだよ。俺はモリ持ってジェットスキーでその波に乗って1匹MEG仕留めるわ」とか言ってたのかな? と思うとニコニコしちゃいますね。
さらにそのあと流れるのは、DJが歌うMEGラップ!
タイトルは"Chomp"
意味:ムシャムシャ!
このドストレートすぎるラップの歌詞は……
ガブリ ガブリ ガッツリいくぜ~♪
俺はメガロドン~♪
捕食者(プレデター)の頂点~♪
共食い上等~♪
嘘みたいだけどマジで流れるから!
記事を書くにあたって、振り返ってみたらあれって思うところがあったのも事実(ペットのMEGちゃんはなんで白目剥いてたの? とか、気合いを入れれば深海でも生身で生きられるの? ステイサムだから? とか)。
しかしそういうヘンテコな部分をジェットスキーでぶっとばすかの如く、矢継ぎ早にアクションと見せ場を繰り出すことで、鑑賞中に疑問を持たせない、てかそもそも持たせるヒマを与えない作りになっています。
そもそも脚本や物語に変なところがあっちゃいけないだろ! と言いたい人がいるのも事実。そういう気持ちもわからなくはないけれど、アトラクション映画としては圧倒的に正しい作りになっていて最高でした。
公式も#MEGザライドで宣伝しているあたり、やっぱりアトラクション映画として素晴らしいですよ。
巷ではこの話の雑さアトラクション感による否定的な意見もあるなんて話も聞くし、内容の無さを指摘する声もあるだろうが、
全編通して気だるげなステイサムの「気は進まないが仕方ない。こうなったらやるしかない」という、開き直りにも近い殺る気の出し方は見習っていきたい。
というわけで、同時多発したトラブルにもひとつずつ対応すればまぁなんとかなるよというポジティブなメッセージが、ステイサムの暴力と一緒に描かれるこの夏1番のアトラクション映画でした。
終始ニコニコの1本です!
「海のジュラシック・ワールド」って、まさか発煙筒使ってたから!?