この記事の最後に大事な話があります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081215-00000021-fsi-bus_all

 日本経済は出口の見えない不況のトンネルに突入した。日銀が15日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)をはじめ、設備投資、雇用、資金繰りなどで大幅なマイナスが続出し、日本経済の急降下を浮き彫りにした。米国発の金融危機が実体経済に波及し、世界経済が失速。その影響で日本経済も危機的状況に陥り、景気回復の道筋も見通せない状況だ。

 ≪減産と設備投資抑制≫

 「予想を上回る未曾有の経営環境の悪化が起きた」

 ソニーの原直史業務執行役員は急速な業績悪化に唇をかむ。

 欧米経済の低迷に加え、新興国の景気も減速し、海外需要が想定を超えるスピードで減退。輸出依存度の高い加工業種を中心に業績の大幅悪化を余儀なくされている。需要の急減を受け、減産や設備投資の抑制に踏み切る企業の動きも広がる。

 ソニーは全世界に57拠点ある工場の約1割にあたる最大6カ所を統合・閉鎖する計画。2010年3月期の設備投資も従来計画から約3割カットし、欧州では薄型テレビの生産拠点であるスロバキア工場の増産投資を延期したほか、国内でも熊本工場の携帯電話向け半導体センサーの増産投資を削減する。

 ホンダも「全世界で(設備)能力拡張に関する投資見直しを進めている」(福井威夫社長)。ロシア向けの乗用車「シビック」などを生産するトルコ工場で、来年半ばに年間生産能力を5万台から6万3000台に引き上げる計画を先送りするほか、インドでも年6万台の能力を持つ第2工場の稼働時期を当初の10年から11年以降に延期する。

 トヨタ自動車は08年度の設備投資について、前年度比5%減の1兆4000億円を計画するが、「新規プロジェクトを総点検して精査していく」(木下光男副社長)としており、さらに下方修正する可能性もある。商用車を含めた国内自動車メーカー主要12社の08年度中の減産台数は国内外で計189万台に達する見通し。自動車産業はすそ野が広いだけに、その影響は化学や鉄鋼、電気機械などの業績悪化にも及んでいる。

 ≪雇用調整も加速≫

 業績悪化や減産などで雇用の過剰感も強まり、調整も加速している。ソニーは世界で正社員8000人を含む1万6000人超の人員削減計画を表明。自動車メーカー主要12社も、国内の非正規従業員を計1万4000人規模で削減する見込みだ。

 雇用など先行き不安が広がれば、消費者も財布のひもを一層引き締める。外食を控えて自宅で食事する“内食”が広がり、食品スーパーの業績は比較的堅調だが、「特売の構成比は上昇している」(ライフコーポレーション)と、少しでも安価な食材を求める消費者の志向がうかがえる。一方で総合スーパーは「食料品以外の分野が弱い。値引きやセールをしないと顧客が集まらない」(イトーヨーカ堂)と、より厳しい。

 企業の苦境に追い打ちをかけるのが、資金繰りの悪化だ。金融市場ではリスクを嫌う姿勢が強まり、大企業ですら資金調達のための社債やCP(コマーシャルペーパー)の発行が難しい。8月末に、10年ぶりに総額500億円の社債を発行したNECの財務担当役員は「もう少し遅かったら発行できなかった」としながらも、急速な金融環境の悪化を前に「1000億円にしておけばよかった」と悔やむ。

 日本経済は「企業業績の悪化→リストラ→個人消費の低迷」という悪循環に陥る懸念が強まっており、景気後退が長引く恐れも大きい。
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