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【ロサンゼルス=松尾理也】深刻化する金融危機のあおりを受け、米活字メディアが軒並みレイオフ(一時解雇)の嵐にさらされている。インターネットに押されるここ数年の流れに急激な景気低迷が重なった形で、将来の状況好転につながる材料がなかなか見つからないだけに、去っていく記者や編集者からは「もうジャーナリズムの世界に戻ることはないだろう」との悲観的な声も多く聞かれる。
11月初め、ロサンゼルス郊外に、十数人の地元ジャーナリストが集まった。今回の金融危機で突然レイオフに直面したロサンゼルス・タイムズ紙の記者や編集者を励まし、別れを惜しむための“送別会”だった。
レイオフされたのは、長年にわたって編集に従事したベテランが中心。交わされる言葉のはしばしに、突然言い渡された解雇に対する戸惑いと悔しさがにじんだ。
同紙を傘下に持つトリビューン社は昨年、シカゴの不動産王サム・ゼル氏に買収された。参加者からは「経営陣は新聞ビジネスを理解していない」など辛辣(しんらつ)な意見も聞かれたが、結局のところ、現在の苦境をもたらしたのは「インターネットの影響に尽きる」との分析がほとんどだった。
「レイオフされた後、多くはPR会社など報道以外の分野に去っていく。ジャーナリストとしての職場そのものが縮小しており、同業他社に移るという選択肢はほとんどない」。ある編集者は、こう話した。
この会に集まったのは、アジア系の記者や編集者が中心だった。しかし、参加者は「アジア系がとりわけ冷遇されているということはない。レイオフは平等に降りかかってきている」と口をそろえた。
金融危機表面化以降、新聞業界では次々にレイオフが明らかになっている。
新聞だけではない。週刊誌タイムやスポーツ・イラストレーテッドなどを発行するタイム社は100人に上る自発的退職者を募集。経済誌ビジネス・ウイークなどを発行するマグロウヒル社も270人に及ぶレイオフを予定している。英誌エコノミストも北米部門の人員を5%削減する方針を明らかにした。
タイム社発行の雑誌として自らもレイオフに無縁ではないフォーチュン誌は、「活字メディアが死に絶えることはない」と強調しつつも、「今起きていることは、鉄道の旅がジェット機による空の旅に置き換わったような変化だ」と論評している。
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■米新聞業界の10月以降の主なレイオフ
ロサンゼルス・タイムズ 編集局人員の10%(75人)削減
ガネット(USA TODAY紙などを傘下に持つ米最大の新聞チェーン) USA TODAY除く全地方紙の従業員10%削減
オレンジ・カウンティ・レジスター(カリフォルニア州の地方紙)110人削減
シアトル・タイムズ(ワシントン州の地方紙)
編集局の約15%(35~45人)削減
スター・レジャー(ニュージャージー州の地方紙)
編集局の40%(200人)削減
カンザスシティー・スター(ミズーリ州の地方紙) 50人削減
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