潤くんの口からちゃんと聞きたかった…
一分一秒でも早く会いたくて…
玄関に座って、いつ帰ってくるかもわからない潤くんを待ってた…
ガチャ…
潤くんの顔を見ただけで涙が溢れて…
「お帰り…」
ちゃんと帰って来てくれたことだけで、十分嬉しかった…
『彩…?ちゃんと話そう…?』
潤くんはそう言った…
「私…杏奈さんのこと知ってるの。美羽ちゃん…入院してるんだよね…?」
『そっか…彩の保育園だったもんな…』
「杏奈さん…潤くんの忘れられない大切な人なんだよね…?」
潤くんは杏奈さんとの過去を話してくれた…
『今は…ほっとけないんだ…アイツの傍には誰もいないからさ…』
「そっか…グスン…」
『…………ごめん』
「潤くん優しいもんね…潤くんのそういうトコ好きだから…」
『…………………』
「杏奈さんのこと、今でも好きなの…?」
『…………わかんねぇ』
「そっか…グスン…」
『ごめん…』
「やだな…潤くん正直すぎるよ…。じゃあ…もう…終わりにしよっか…?」
『ちょっ!待てよ!何でそんな話になんだよ…!!』
「だって…いくら7万人幸せにしちゃう潤くんでも、私と杏奈さん…どっちも幸せになんて出来ないでしょ…?そんなのズルイよ…」
『………………』
「私…そんなにいい子じゃないから…ずっと潤くんの心の中にいる杏奈さんに嫉妬してる…。毎年この時期になると寝言で杏奈さんを呼んでるの…隣でしっかり聞いてるんだから…。私との約束破って杏奈さんといたのも…助手席に乗せたのも…さっきまで杏奈さんの部屋にいたのも…」
『ごめん…』
「全部嫌なの…」
『ごめん…でも…!彩と別れるとかありえねーから…』
「ズルイよ…潤くんはどうしたいの…?」
『……………』
「ちゃんと…言ってくれると思ってた…杏奈さんに恋愛感情はないって…そしたら私…」
『ごめん…』
「もういいよ…」
私は立ち上がり、玄関へ向かった…
いつもなら…
『ちょっ!待てよ!!』って追い掛けてくれるのに…
今日は…
それはないの…?
本当にこれで終わりなの…?
やっぱり涙が溢れて…
私は泣きながら部屋を後にした…