泣きたかったけど
泣けなかった
そこには
泣く必要なんていらなかったから
だって、泣きたいときには
ちゃんと泣ける
マスター中
私は一度も泣かなかった
泣きそうになったことは
何度かあったけど
溢れて止まらない涙じゃなかった
マスター最終日
アシスタントのかこちゃんとやまけんさんに
私一度も泣いてないけど
良かったのかな?って何度も聴いた
ふたりは
『大丈夫だよー』
って言ってくれた
でも、泣かないように
私は頑張ってたのかなー
と思ってたけど…
やっぱり違った
私にとって
涙は武器だったから
『泣けば許される』
そうして今まで生きてきたことに
最終日の翌日に同期と話して
気付いたの
18歳の時
元夫と付き合うようになってから
私は泣くことを覚えた
謝っても謝っても許してくれない
どうしたら怒りがおさまるのか
分からずおびえるしかなかったけど
…泣いたらおさまった
無意識だけど
私はそうやって彼の怒りを
ずっとおさえてきたんだと思う
そのことにやっと気づいた
こころが感じて
心の底から込み上げてくるような
そんなコントロールできない
涙を思い出したから
そして
63期のみんなには
ありのままの私で
許されてた
理由は分からなかったけど
そのことを
ちゃんと私が感じてたみたい
そこは
私にとって初めてできた
安心できる居場所だったんだよね
そこにはきっと
愛しかなかったから