…このお話は、【奴】との思い出シリーズの番外編ともいうべきエピソード。
かなりえげつない表現と、もしかしたら成人限定のお話とかも
入っているんで、未成年の方はご遠慮ください…てか。
9月某日。私とダンナ(当時)は、ショッピングセンターで週末の買い物をしていた。
その、センターの薬局前にて。
「でぃあ。」
「何?」
「『あれ』が無くなったから買っておこう。」
『あれ』とはつまり…明るい家族計画のためのあれである。
最近はパッケージもオシャレブランドのものなどがあって、
以前よりもかなり手に取りやすくなった。
まあ、まだまだ対面販売は気恥ずかしいお年頃ですのよ。
それはともかく。
「でもさぁ、春先に2ダース買ったじゃん。」
「だって無いんだもん。一昨日使ったのが最後。」(夫婦の会話じゃのぅ。)
「……。」
そんな馬鹿な。2ダースと言えば24個だぞ。そんなに使った?
うそ~ん。そんなにやった記憶無いけど?変だな~?
と、思いつつミチコロンドンデザインのものを2ダース買った。
自宅に戻って、家計簿と自分の日記を調査したところ、…やはり!
勘定が合わない!10回分のマイナス!
(つまり、半年で14回しかやってないわけで…。)
ここで、資料を突き出して『残りの10回分はどうした!』とか
問い詰めてもいいんだけど…。真実を知るのが怖いわな。うん。
とりあえずここは誰かに相談しよう。そうしよう。
翌日。月曜日。
私は勤務時間終了後、1206号室、エリコさんの研究室に駆け込んだ。
「エリコさぁん…あれ?誰もいないの?」
「はぁい。」
奥からアオイさんの声がした。
「エリコさんはぁ~?」
私は無遠慮にずかずかと入って行った。今夜はもう畠山さんは研究所内には
いらっしゃらない事は確認済みである。
「エリコさんね~、今日は結婚記念日で早く帰っちゃったんですよ~。」
「…そ、そんなぁ。」
私はエリコさんの席にへったりと腰を下ろした。
やはり、こういう夫婦間の深刻な問題は、既婚者に相談したかったのに~。
「どうしたんです?」
う~む。この際、アオイさんでもいいか。
「いや…ちょっと相談事が…。」
「はあ…。僕で良かったら、話、聞きましょうか~?」
という訳で、私は事のいきさつを話した。
「…数が足りないんです数が~!もうこれは、ダンナが
他所で出してるとしか思えませんよ~!」
その瞬間、アオイさんが大爆笑した。
「で、でぃあさん、『出す』ってえげつない言い方、止めましょうよ~…
あ~おかしい。」
「アオイさ~ん!こっちは真剣なのよ~!」
アオイさん、なおも笑いながら
「でも、ちゃんといちいち個数チェックとかしてるんですか~?」
「そりゃもう!だって、万が一妊娠したら、いつやった時の子か分かりますからね!」
笑いの止まらないアオイさん。私はなおも続ける。
「あ、でも、ゴム使ってるって事は、浮気相手は女性ですよね?ならまだマシか。
男相手だったら、もう二度と戻ってこないって言うし。」
「も~。でぃあさん面白すぎ!…でもね~、ダンナさん、一人Hするときに
使ってもうたとか?」
「男の人って、一人Hする時、使います?」
「いや、僕は使いませんけど…。」
で、結論。(まあ途中いろいろ有ったけど、さすがに記述を控える。)
「本人に直接問いただしてみればええんとちゃいます~?」
「う~ん。そうだね。そうする…。」
「もっとも、肯定する男はいないでしょうね~。
よっぽど奥さんと別れたがってる場合は別ですけど。」
「……。」
「いや、でぃあさんのところは大丈夫でしょう。」
アオイさん、面白がってないかい?
…こういうエロ成分多めな会話って、何の臆面もなくやってたのよねぇ…。
もう、セクハラにセクハラで応酬する、みたいな?
あ、それでね。結局問いただしたんだと思う。でも、てきと~に
はぐらかされたんじゃなかったっけ?
で、まあ、こっちも「ま、いっか。」みたいな感じで引き下がったんだと思う。
この時は相手の女に大金貢ぐとかは無かったみたいだから。
ちなみにこの話には続きがあって…。
足りなかった10個のうち、6個は衣替えをする時に、衣装ケースの中から
発見されたのよ。でも、防虫剤と同居(!)してたから、ゴムが劣化して
使い物にならなくなってました。
そして、残りの4つのうち、1つはダンナ(当時)の財布の中に有った。
つまり、使途不明なものは3つなのよね…。
…という昔話でした。