前回、会った時に私の家の近くのテニスコートを予約した。
その日がやってきた。
まこちゃんは、前々からお天気を心配していたけど、私にとってはテニスより逢えればいいのだから。ザザ降りでさえなければいいのだ。
運よく曇 ポツリと雨粒が落ちた時もあったけど、2時間びっしょり汗をかいたゼ。
私の旧式テニスフォームを何とかして矯正しようとアドバイスをくれるけれど、ラケットにボールを当てるのに必死なんだから、フォームまで構っちゃいられない。
そもそも、若い時にしっかりとしみついたフォームは変えられないのですよ。
初めてまこちゃんとテニスをしたのは、丁度3年前の6月だった。
本当は、あるテーマパークへふたりで行く予定で、新幹線に乗って、いざ!
一泊し、
朝から大雨と暴風 結局諦めて、小さな水族館で過ごしたけど、小さすぎてすぐに出口が。
翌日は晴天だったけど、近くの公園でテニスのボレーを教えてもらった。
私にとっては、ひっっっさしぶりのテニスで、楽しくて楽しくてたまらなかった。
雨に洗われて、公園の木々の緑が輝いていた。私の顔も輝いていたはず。
帰りに寄ったプラネタリウムでは疲れが眠気を誘い、ふたりでこん睡した。
その夏には突然の別れを告げられ、すぐに復縁したけれど、翌年の春、緊急事態宣言とともに私からお別れをした。
その後の1年は、長かったようで、無だったようにも思える。時間の感覚がマヒしてしまった1年だった。
今こうして、一緒にボールを追っている。
不思議だな
テニスの後、まこちゃんが好きだと言ってくれた。
初めてかもしれない。
ずーっと、不安だった。
愛されているのかを確かめたかった。はっきり声に出して言ってほしかった。
こころが、砂でざわざわと鳴っていた。
好きで好きで不安で不安でたまらなかった。
いったい、いつになったら、楽になれるのだろう。
そして、私のこころはすっきり晴れるのだろうかと思っていた。
別れれば、すっきりするんだろうなとも思っていたけど、そうでもなかった。
今が一番すっきりとしているのかもしれない。
愛情が冷めて来たわけではないけど、どうしようもない、気持ちの持っていき場所がないような、あの感情はない。
いろんなことがあり、ある程度は乗り越えて、免疫がついたのか、こころを傷つける砂は削られ、丸く小さくなったように思う。
今でもまだ、まこちゃんに聞きたいことはある。
けれど、聞いたからってどうしようもないのだから。