今回もお昼から半休を取ってもらい、午後はまこちゃんはと一緒に過ごす予定だった。映画とか。
しかし、小さなペットの脚の具合が何だかおかしい。痛がるようにも見えないが、掴む力がなんだか弱く感じる。
動物病院で診てもらおうかと迷っているうちに、まこちゃんと逢う前日になってしまった。
心配な気持ちを持ちながら会うと言うのはすっきりしない。
結局、当日の午前中に受診してから、お昼ご飯を一緒に食べに行くことにした。ところが、待ち時間が予想をはるかに超えて、午後1時を過ぎてもまだ診察の順番が来ない。
最寄り駅で下車し、動物病院まで徒歩で来てもらった。
小さな脚のかかとに当たる部分の傷が原因だった。抗生剤などが処方された。少し赤くなっている程度なので1週間飲めば大丈夫とのこと。
安心感と待ち時間で力が抜けちゃった。でも、まこちゃんが来てくれて心強かった。ペットのことになると、小さなことでも心配症になる。
帰りにコンビニでお弁当を買い、私の家で一緒に食べた。ペットも疲れちゃったのか、ひとりで爆睡。
午後は近所のお寺へひらひら舞う桜を見ながら散歩。池は花びらで一面ピンクに染まっていた。
2,3日後、ひとりで訪れたが、すでに花びらは茶色がかっていた。
満開も一瞬だけど、散るのも一瞬。
ピンクの池に出会えたのも、一期一会。
その後、手をつないでぶらぶら歩いた。
いつも歩く散歩道だが、その日は空気が違った。
現実でないような。子供のころのような感覚だった。暑くも寒くもなく、絵の中にいるみたい。
ほっとした安心感もあったからかもしれないけど、幸福感でいっぱいだった。
まこちゃんほど、一緒にいてしっくりくる人はいない。
どこまでも道が続いているといいと願った。
2018年、絶対に翌年はまこちゃんと一緒に桜を見るんだと桜を見つめて誓った。だから苦しいことも耐えると。その時は桜の美しさはひとかけらも感じなかった。
2019年、ただ、自分を奮い立たせるための誓いだったにもかかわらず、偶然にもふたりで夜桜をみることができた。
その年の夏、突然の別れがやってきて、もう二度と一緒に桜を見ることはないと悟った。もう会わないのだから。
一度復活したけど、緊急事態事態宣言中に私からさよならを言った。
2021年早春、お友達として再会した。
2022年 桜色の気持ちで逢えた。幸せな薄いピンク色。そんな世界が続くといい。