何でもない事ですが | DEAN ~怪獣遊園地~

DEAN ~怪獣遊園地~

-古き良き時代にタイムスリップ!-
甘く懐かしい匂いと共に甦る
愛すべき“玩具”という名の友人達。



とても綺麗なブルマァク・ジャイアント・ドラコ。

ドラコには、ミニも同じく格別感があります。




何でもない事だけど昨日ちょっとだけ良い気分になった。

先日、チビから電話が入り、自転車の鍵を無くしたので

鍵本体を外してくれとの依頼があった。

いつもの何でも屋さんである。

駅に停めたまま、数日間動かせず、

ほおっておくと撤去されるので

忙しかったが、ハンマーとペンチを持ち

しぶしぶチビ宅に向かう。

前付きのタイプの鍵だが、そう簡単には取れない。

もし簡単に取れてしまったら

それこそ、チャリは盗り放題になるだろう・・・

自転車屋に持って行け、との意見もあったが

現在、自分の車には荷物がギッシリだし

チャイルドシートも付いている・・

それを降ろすのが、また手間なので

ブチ壊した方が早いとの考えに至った・・・ものの

このクソ暑い中、自転車を傷付ける事なく

ある程度の作業で果たして取る事が出来るだろうか?

とにかく暑かったのもあり一抹の不安を覚える・・。

真昼の2時…炎天下の下での作業だ。


向かう途中で一軒の自転車屋を見つけた。

自転車を停めている駅からはまだまだ遠い。

が、一応聞いてみようと店内に入る。

店先で作業をしていたガタイの良い

熊の様な雰囲気の兄ちゃんに事情を説明する。

聞くと、やはりそういうトラブルはあるようだ。

いつもなら、出張という形で来てくれるようだが

今は自分一人しかいないから無理だと言われた。

日本語が、たどたどしかったから異国の人だろう。

でも、愛想も良く何となくいい奴に思えた。

「そうか・・・しゃあないなぁ・・・」

と、俺が残念そうにつぶやくと、

「いいよ、只で道具かすから持っていってよ」

と、約1m程ある大型の番線カッターを渡してくれた。


俺が嬉しかったのは道具を貸してくれた事は勿論だが

名前も電話番号も聞かずに信用してくれた事と

ほんと、にこやかな顔で対応してくれた事だ。

後で、右腕にこの話をすると

「断るのが恐かったんじゃないですかぃ?」

と言っていたが、んな訳はない。。。


簡単にはいかなかったが、

自転車を傷付ける事なく無事鍵を取る事が出来た。

(ハンマーやペンチじゃ無理だったな)

そして、帰りにそこで新しい鍵を購入し、

兄ちゃんには缶ジュースを手渡してきた。


いや、何でもないお話だが

こんな、世知辛い世の中で、なんというか粋なね

そんなちょっとした好意が俺には嬉しかったよ。

熊っぽい、優しげな表情にも癒されたね。