記憶という名の宝物 | DEAN ~怪獣遊園地~

DEAN ~怪獣遊園地~

-古き良き時代にタイムスリップ!-
甘く懐かしい匂いと共に甦る
愛すべき“玩具”という名の友人達。



ブルマァク・ジャイアントドラコ

最近街を歩いていてもヒーローや怪獣ごっこをして遊ぶ
子供達の姿をめっきり見なくなりました。
怪獣ソフビで遊ぶ子供に関しては皆無に等しい様に
感じます。

僕の店に来る子供達の大半もそうですが今の子供達の遊びの
主流はテレビゲームやカードゲームのような二次元のものに
なっているようです。バンダイ怪獣を買う子供は小学生未満
の幼児が殆どで小学低学年になればやはり大怪獣バトルなど
のカードゲームに夢中になっています。

確かにゲームは頭も使えば手先も器用に動かしています。
画面の中のキャラクターを自らコントロールしたりするのも
人気の秘密でしょう。
もし僕らが小さかった頃、今みたいにテレビゲームや
カードゲームがあり画面の中で怪獣やヒーローを戦わす事が
出来れば同じように夢中になったかも知れません。
だから今の子供達の気持ちもよくわかります。

ただ作られた画面の中では空想や想像力に広がりはなく、
その中でしか遊べない子供達の感性や発想はどんどん乏しく
なっていくのではないでしょうか。
僕達は決められたストーリーはなく自分自身や怪獣ソフビを
主役とし、みんなそれぞれが監督となり想像力の中で自由に
遊んだものです。そんな中で豊かな感性というものも育って
いった様な気がします。



それに今の子供達が可哀想に思ってしまうのは玩具の思い出
としての部分、記憶としての部分です。
僕達には記憶が残っています。
それは映像の記憶だけではなく触感や匂いの記憶・・・

手に持った時のヒーローや怪獣ソフビのあの感触、
GIジョーのツルッとした手触り、超合金のあのズッシリと
くる重さ、ミニカーをバウンドさせた時の、プラモデルの
パーツを外す時やゼンマイを巻いた時の感触。
そして匂い・・・
ソフビの甘い匂い、5円引きブロマイドのあの紙袋の匂い、
プラモのセメダインの匂い、駄菓子屋ピストルの火薬の
匂い、
そして大好きだったあのお店の・・・

全ての記憶が懐かしい思い出となり僕達を一時、
その頃に連れ戻してくれます。
そしてそれは記憶と言う名の素晴らしい宝物となって
今も生き続けています。

だから今の子供達にもそういう宝物を残してあげたい、
見つけて欲しいなと切に思わずにはいられないのです。