真夜中につけっぱなしのテレビが、砂漠の嵐めいたノイズに瞬く。
眠れない深夜にテレビをつければ、そこにはいつも、
放送終了後の謎めいたノイズが踊っていた。
去って行く今日にしがみつき、真夜中にラジオのダイアルを回して、
あふれるノイズの中から音楽を探しだすんだ。
もうじき、アナログがまたひとつ消える。
アナログ放送がデジタル化されたら、真夜中にテレビをつけてもそこに、
あの懐かしいノイズは踊らないのか。
何もかも管理されて、世界中からノイズが消されていった。
音楽は耳に柔らかく、ディストーションもデジタルで綺麗になった。
リズムも、ビートも、心を震わせるべき音色も、言葉も、表現も、
デジタル制御されてクリアになった。
そうさ、ノイズのないクリアな優等生に成り下がったのさ。
求められるのは、誰からもクレームのこない、
最大公約数のクリアな音声。
いつのまにか固定された、頭のダイアルを回すんだ。
周波数はひとつじゃない。
あふれかえるノイズの中から、本当のメッセージを探し出せ。
誰かに植え込まれた、設置済みのアンテナを放り投げろ。
世界中には、聞いたこともない音楽があふれているぜ。