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☆これからの投資はどうなる?

2024年から新NISA(少額投資非課税制度)が開始されることもあり、資産運用を促す報道が増えている。

日経新聞は日米英の家計金融資産の推移や家計資産の構成を比較し、「もし、日本人が積極運用していたら、、、」と、これまでの機会損失を強調している。

また、「インフレで預金の価値は目減り」しているので、「運用立国でお金の流れを変える」ことが必要だと結論付けている。分かりやすいデータなので、ぜひ目を通して頂きたい。

参照:ニッポンのマネー改革始まる 資産運用よ こんにちは


一方で、多くの報道ではFXなどの短期トレードには否定的だ。確かに、短期トレードで収益を残すには最低限のルールを知ることが必要で、それなりの技術や心構えが必要だ。

とはいえ、それは数日から数週間で売買を完結するスウィングトレードや、NISAが促している中長期投資でも同様だ。短期トレードだけが危険視されるのは、損益がすぐに判明するからだとも言えるのだ。

これは、見えないリスクは恐くないだけなのを意味している。実のところは、見えるリスクよりも見えないリスクの方が、対処ができない、あるいは手遅れになる分だけ危険なのだが。

では、短期トレードのリスクとは、理論的にはどんなものだろうか?

金融市場では値動きがそのままリスクとリターンとなる。そして、オプションの理論では、ある期間の値動きは1年の累乗根の値動きだと言われている。このことは、1四半期の値動きは、1年の√4、つまり、2分の1となる。これは1四半期のリスク・リターンは、1年のリスク・リターンの半分となることを意味している。

仮に1年の営業日数を256日だとすれば、1日の値動きは1年の√256、つまり、16分の1となる。このことは、1日1回のデイトレードのリスクは1年の16分の1だが、毎日トレードを行うことにより1年の16倍の損益機会を得ることを意味する。

これは10万円を毎日1回トレードすれば、1年間保有しているより、16倍儲けられる可能性がある一方で、16倍損する可能性を意味している。そして、これは160万円を1年間保有するリスクとリターンに等しいことも表している。理論ではそうなる。

実際にはどうか?

中長期投資では、10万円しか投資資金のない人は、160万円ある人はおろか、20万円の人にも決して勝てない。しかし、短期トレードならばチャンスはある。一方で、損失額が16倍になることはほとんどない。10万円が下限だからだ。


オプションの理論が示しているのは何か? 時間がリスクとリターンだということだ。そして、実際の世界にはその理論さえ超えたリスクとリターンが存在する。2020年にはコロナ禍が起きた。2021年にはコロナ支援でインフレ率が急上昇、また米株などが史上最高値をつけた。2022年には金融正常化とウクライナ戦争が起きた。これらを前もって織り込むことは困難だった。

それらに比べると2023年の出来事は今のところは小さいが、米銀破綻や米国債格下げ、中国の不動産不況と若者の高失業率、中東の米国離れなどが顕在化しつつある。また、日本政府の利払い負担、国債費の急増が日本の歳出予算を大きく圧迫しつつある。YCCの弾力化はそれを加速させる。

中長期投資ではこれらの時間のリスクを排除することはできない。

私は上記「ニッポンのマネー改革始まる 資産運用よ こんにちは」のデータは、何ら未来の成長を保証するものではないと見ている。

ここまでの世界、正確には2022年初頭までの世界は、第二次世界大戦後、冷戦後の成長期の流れで捉えることが出来た。それは米国主導のグローバル化の世界だった。それは今後の世界とは違う。

今後は、米国自身が世界を主導しようとはしていない。例えば、ロシア制裁の一環として、ロシアを自らが中心となって構築した国際間銀行決済システム(SWIFT)から追放したことが一例だ。それによって、米ドルの使用者が減り、基軸通貨としての地位が下がることになった。

また、そのロシア制裁を世界の大半が支持していない。インドなどはウクライナ戦争後に、ロシア原油の輸入をそれまでのほぼゼロから、ロシアの輸出の過半を占めるところまで急増させ、その大半を欧州に輸出している。しかし、米国はインドを制裁するどころか、ウクライナ戦争後に経済連携や軍事同盟を結ぶなど、インドを取り込むことに躍起になっている。

それを見た米国制裁下のイランはサウジアラビアと国交を回復し、同じく制裁下のシリアはアラブ連盟に復帰した。また、エジプトは米国が要請するウクライナへの武器援助を拒否した。これらはすべてこの夏頃に起きたことだ。米国離れは、反転することがない勢いで進んでいる。

今後の世界は、米国側、中ロ側、グローバルサウスと3極化していく。そんな中で、米国側、中ロ側の成長期は終わりつつあるのだ。それを証明するデータには事欠かない。つまり、中長期投資のリスクはこれまで以上に高いと言っていい。もし、そうした長期的な時間のリスクを取るのならば、グローバルサウスの中から選ぶのが妥当だろう。インドが最有力かも知れない。

一方、短期トレードは目の前で完結するので、時間のリスクを排除できる。そして、最低限のルールやそれなりの技術、心構えで、損小利大、つまり、リスクをリターンより小さくすることが可能だ。

それには訓練がいるが、今は数千円からトレードが始められる。私は少額のトレードで、一生分の失敗をすることを勧めている。失敗し尽くして、もうこれ以上失敗できなくなったら、金額を増やせばいい。半日で投資資金を倍増させ得る可能性すらあるのだ。

本当にそんなことが出来るのか? ルール通りの売買で投資資金を何割か増やせるチャンスならば、1週間に何回かある。それを獲れる、獲れないに個人差があるのは当然だ、例えれば、狩猟や釣りに似ているかも知れない。つまり、チャレンジする気があれば、自分次第でそうした獲物を手にすることができるのだ。



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