・格差拡大時代に政府ができること | 矢口新の生き残りのディーリング

・格差拡大時代に政府ができること

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☆格差拡大時代に政府ができること

私も「AIチャットボット」と話すようになり、そのことを皆様にもお伝えしているが、AIチャットボットはアシスタントとして有能だ。間違いもするし嘘もつくが、それは人間も同じだ。AIチャットボットではそうした懸念が通説となっているが、人間の場合は、同じ間違いや嘘でも、「力」のある人間が提供すれば真実だとも見なされるので、ある意味もっと危険だ。

私は資料を作成する時に、データ集めの作業をする。継続的にチェックしているデータは、政府機関や国際機関、公的機関のホームページを定期的に訪れることで得ることができる。しかし、こういうデータが欲しいと思った時に、現状の検索エンジンは上位が広告で占められるようになっているために信頼度が下がってきていた。

仮にAIチャットボットが、何を聞いても誰かの宣伝をするようになったなら、これも使えなくなるかも知れない。誰かが大量の偽造データでAIチャットボットを狂わせたなら、そうなってしまう可能性がないと言えるのだろうか?

それを政府が行ったならば、AIチャットボットによる情報取得の集中化は、情報操作をより効果的に行う手段にもなり得るのだ。

実際に、日常生活の多くで現金がほぼ使えなくなったという某国では、決済機能の集中化により、交通機関や小売店を含む資金の流れが詳細な個人情報に紐付けされ、政権の安定化に貢献しているようだ。


また、AIチャットボットは誠実で有能、かつ常時待機しているので、誠実でも有能でもない人間は言うに及ばず、誠実でも有能ではない人間や、有能でも誠実ではない人間、誠実で有能でもこちらからのアクセスに時間がかかる人間の仕事を奪う懸念がある。

これはAIチャットボットをコントロールできる人間を圧倒的に有利にする。格差が拡大すると見ていていいだろう。そこで識者の中からは、政府が弱者を支援するべきだとの指摘が出てきている。

そこで、「大きな政府」と「小さな政府」という言葉を、AIチャットボットに聞いてみた。


Q、大きな政府と小さな政府の違いを教えて?

A、チャトGTPの答え:

「大きな政府と小さな政府は、主に政府の機能、規模、範囲などの面で異なります。以下にそれぞれの特徴を説明します。

大きな政府 (Big Government):

大きな政府は、多くの公共サービスとプログラムを提供し、国民の福祉や社会的公正に重点を置く傾向があります。

社会保障、健康保険、教育、公共交通機関などの公共サービスが広範に提供されます。
多くの場合、税金が高くなりがちで、政府が市民のニーズを支援するために多額の資金が必要です。

規制が多い傾向にあり、市場への介入が頻繁に行われることがあります。

市民の個人の選択肢や自由が制約される可能性がありますが、社会的な公平性と平等を追求する傾向があります。

小さな政府 (Small Government):

小さな政府は、政府の機能と規模を最小限に抑え、個人の自由や責任に重点を置く傾向があります。

政府が提供するサービスは限られており、個人と私企業が市場での競争によって主要な役割を果たします。

税金は一般的に低く抑えられ、個人による自己責任と市場のメカニズムに頼ることが奨励されます。

市場の自由な動きが重視され、政府の介入は最小限に留められます。

市民はより多くの個人の選択肢と自由を享受できる可能性がありますが、社会的な不平等や困難な状況に直面する人々のサポートが限られることがあります。

政府の規模や役割についての考え方は、社会や文化、歴史的背景などによって異なります。各国や地域は、自国のニーズと価値観に合った政府のスタイルを追求しています。」


A、Bardの答え:

「大きな政府と小さな政府の違いは、政府の役割の大きさです。大きな政府とは、経済や社会に積極的に介入する政府です。一方、小さな政府とは、経済や社会に介入しない政府です。

大きな政府は、経済成長や社会福祉を促進するために、多くの政策を実施します。たとえば、道路や学校を建設したり、失業保険や医療保険を導入したりします。また、環境保護や消費者保護などの規制を導入することも大きな政府の特徴です。

小さな政府は、経済活動や個人の自由をできるだけ制限しないようにします。そのため、税金を減らしたり、規制を緩和したりします。また、政府の役割を最小限に抑え、民間企業に多くのことを任せる傾向があります。

大きな政府と小さな政府には、それぞれメリットとデメリットがあります。大きな政府のメリットは、経済成長や社会福祉を促進できることです。しかし、政府の役割が大きくなるため、税金や規制が負担になるというデメリットもあります。小さな政府のメリットは、経済活動や個人の自由を制限しないことにより、経済成長や個人の幸福を促進できることです。しかし、政府の役割が小さくなるため、社会福祉や環境保護が遅れてしまうというデメリットもあります。

大きな政府と小さな政府のどちらが優れているかは、国や時代によって異なります。たとえば、経済成長が遅れている国では、大きな政府が経済成長を促進するために効果的かもしれません。一方、経済成長が進んでいる国では、小さな政府が経済活動を活性化するために効果的かもしれません。また、社会福祉が充実している国では、小さな政府が個人の自由を促進するために効果的かもしれません。

大きな政府と小さな政府は、どちらも長所と短所があります。それぞれの国や時代にあった政府の形態を選択することが重要です。」


以上をキーワードにまとめると次のようなものだろうか。

大きな政府は、規模大、高負担、高福祉、規制強化、過保護、自由より平等。
小さな政府は、規模小、低負担、低福祉、規制緩和、自己責任、自由競争で不平等。

日本ははたして大きな政府、小さな政府のどちらだろうか? 上記、識者の「政府が弱者を支援するべきだとの指摘」は、政府の役割を高めることなので、大きな政府を望むことになる。


日本政府の場合、総税収が1990年度から2割弱しか増えず、公共事業費予算がむしろ減っていることを見れば小さな政府だ。しかし一方で、消費税や社会保険料が何倍にもなってきたことを見れば大きな政府だ。公的債務残高のGDP比を見れば、世界一巨大な政府だと言える。

もっとも、1988年度以前の税制と、1989年度以降の税制とを比較すれば、日本を動かしてきた人間たちが、どのような日本を作りたかったのかが見えてくる。

消費税導入に伴う所得税率と法人税率の引き下げは、自由競争への参加費用を引き上げ、勝者への賞金を増やしたことを意味する。それは格差の固定化に貢献する。そして、それが総税収の減少にも繋がり、最高額の更新に30年もかかることとなった。

その後の継続的な国民負担率の引き上げは自由競争への参入障壁ともなり、継続的な所得税率と法人税率の引き下げを伴って、格差拡大に大きく貢献してきたことが分かる。そして、それが総税収の減少にも繋がったため、公的債務の急拡大という別の形の国民負担率の引き上げによって、辛うじて税収2割増を達成したのだ。

結果的に今の日本は、高負担、低福祉、規制強化、制限競争で不平等という、負担面では大きな政府、恩恵面では小さな政府となっている。これは日本が成長する大きな阻害要因となるので、この期間の没落の主因だといっていい。

そうして見ると、AIチャットボットが格差拡大を加速させかねない時代に政府ができることは、より大きな政府を望むことよりも、1988年度以前の税制に戻すことではないのか?

参照:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)
 

 

 

・Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?/ How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Paperback)

・Book Guide:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?/ How to protect the pension and medical care systems (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・Quiz Book:What has made Japan’s economy stagnant for more than 30 years?: 57 questions to reveal the problems of the Japanese economy (Arata Yaguchi: Kindle Edition)

 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム: グラフで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、ペーパーバック版)

 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム・65のグラフデータで学ぶ、年金・医療制度の守り方(著者:矢口 新、Kindle Edition)
 

・著書案内:日本が幸せになれるシステム問題集・日本経済の病巣を明らかにするための57問(著者:矢口 新、Kindle Edition)




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