うつからの卒業  みなと

うつからの卒業  みなと

一日も早い うつからの卒業を目指しましょう


10年以上ぶりの再会。講演会終了後、サワトンさんと妻と3人で



あの頃の私には、今の自分を想像できなかった

―「自分のど真ん中を生きる」
という言葉を聞いて―



先日、サワトンさんからお声がけをいただき、
横浜市主催の講演会に参加してきました。

サワトンさんとは、10年以上ぶりの再会です。

今回の講演のテーマは、
「自分のど真ん中を生きる」
というものでした。

講演を聴きながら、サワトンさんのお話に
耳を傾けると同時に、いつの間にか、
自分自身がこれまで歩いてきた人生を
振り返っていました。
 

「自分のど真ん中」って何だろう 


「自分のど真ん中を生きる」


とてもシンプルな言葉です。

でも、あらためて考えてみると、
とても深い言葉でもあります。

・自分が本当に大切にしたいものは何なのか。

・自分は何のために生きているのか。

​・これから、

 どんな人生を歩いていきたいのか。



日々の生活の中では、
立ち止まって考える機会は、
意外と少ないのかもしれません。

私もそうでした。
というより、かつての私は
「これからどう生きたいか」
を考えるどころではない時期を
経験しています。


 
― 私自身、うつを経験した当事者です。―
私は、うつを経験した本人です。

うつの苦しみの中で、
自分では自分をコントロール
できないような状態になり、
人生が大きく変わる出来事も
経験しました。


当時は、

「なぜ自分がこんなことに
 なってしまったんだろう」

「これから自分はどうなって
 しまうんだろう」

そんなことを何度も考えました。

その先に、
今の自分がいることなど、
当時の私には
想像することもできませんでした。


今だから、
こうして振り返ることができます。

でも、あの頃の自分に、
「この経験にも、きっと意味があるよ」


などとは、
私は簡単には言えません。

 
― つらい経験を
「必要だった」とは言いたくない ―


人生には、
経験しないで済むのなら、
経験しない方がよかった
と思うことがあります。

私にとって、
うつになったことも、
その中で起きたさまざまな出来事もそうです。

だから私は、

「あの経験があったから今がある」

「すべて必要な経験だった」

と、きれいな言葉だけで
まとめたくはありません。


今まさに、
うつの真っただ中にいる方も
おられます。

出口が見えず、
今日一日を過ごすことだけで
精いっぱいの方もいらっしゃいます。

そして、
そのそばには、
「何とかしてあげたい」
と思いながら、

どうしたらいいのか分からず
苦しんでいるご家族もいます。

そんな方に、
「苦しい経験にも意味がある」
と簡単に言うことは、
私にはできません。


でも、一つだけ。
今の私だから思えることがあります。

 
― 起きたことは変えられなくても、
その先は選べるかもしれない。―


過去に起きてしまった出来事を、
なかったことにはできません。

どれだけ願っても、
過去そのものを書き換えることはできません。

でも、その経験を、
これからの人生でどう活かしていくのか。

それは、
自分で選ぶことができるのかもしれません。

少なくとも私は、
そう考えられるようになりました。

もちろん、
そう思えるようになるまでには
かなりの時間がかかりました。

決して一直線に、
ここまで来たわけでもありません。



悩んだり、
立ち止まったり、

時には後ろを振り返ったりしながら、
少しずつ歩いてきました。


そして気がつけば、
自分が経験したことを、
今度は誰かのために役立てたい。

そう思うようになっていました。
 

― それが「みなと」につながっています。―

妻と一緒に
「うつの家族の会 みなと」
の活動をしています。


私には、
うつを経験した本人としての経験があります。

そして妻には、
その私をそばで支えてきた
家族としての経験があります。

本人には、
本人にしか分からない苦しさがあります。

そして家族にも、
家族にしか分からない苦しさがあります。


本人が苦しいとき、
どうしても本人のことが中心になります。

それは当然のことだと思います。

でも、そのすぐそばで、

「何とかしてあげたい」
「自分が支えなければ」

と思い続けている家族も、
少しずつ疲れていくことになってしまいます。


私たち夫婦は、
その両方を経験してきました。

だからこそ、
本人だけでもなく、
家族だけでもなく、

その両方が少しでも心を軽く
できる場所をつくりたい。

それが、
私たちの「みなと」への思いです。
 

 

― 10年以上ぶりに、また道が交わった ―

今回講演されたサワトンさんもまた、
人生を大きく揺さぶられるような経験をされ、
そこから今日まで歩んでこられた方です。



もちろん、
サワトンさんが経験されたことと、
私が経験したことは同じではありません。

人の心の痛みを、
自分の経験だけで「分かります」
と言ってしまうことには、
私は慎重でありたいと思っています。

どれほど似た経験をしても、
その人が感じた苦しみは、
その人にしか分からない部分があるからです。


それでも自分自身も、
自分ではどうにもならないところまで
心が追い込まれた経験があるからでしょうか。

今回、サワトンさんのお話を聴きながら、
言葉として語られていることだけではなく、

その言葉の向こう側にあるものを、
少しだけ感じることができたような
気がしました。

10年以上という年月。

その間、
サワトンさんにはサワトンさんの人生があり、
私には私の人生がありました。

それぞれが違う場所で、
いろいろなことを経験しながら
歩んできました。


そして今回、
またこうして道が交わりました。
人とのご縁とは、本当に不思議なものです。
 

― 思いがけない「みなと」の紹介 ―


そして今回、
私たち夫婦にとって、
とてもありがたいことがありました。


サワトンさんが講演の中で、
「うつの家族の会  みなと」のことを、
スライド一枚を使って
紹介してくださったのです。


ご自身にとって大切な講演の時間です。

その中で時間を割き、
私たちの活動を紹介してくださいました。

さらに講演後には、
Facebookの投稿でも私たち夫婦を
タグ付けし、「みなと」の紹介と
ホームページまで掲載して
くださいました。

ご自身の活動を伝える大切な場で、
私たちの活動にまで
光を当ててくださったこと。

簡単なようで、
なかなかできることではないと思います。

本当にありがたいことです。

サワトンさんのお気持ちに、
あらためて心から感謝しています。



― 私にとっての「ど真ん中」とは ―
講演を聴き終えてからも、

「自分のど真ん中を生きる」

という言葉が、
ずっと私の中に残っています。

私にとっての
「ど真ん中」とは何だろう。

今でも、
はっきりとした答えが出ている

わけではありません。

これから変わっていくこともあると思います。

ただ、今の私が一つ言えるとしたら、
自分が経験してきたことを、
今、苦しんでいる誰かのために
活かしていくこと。

それは、
私にとって大切なものの一つ
なのだと思います。


うつの中にいた頃の私は、
今の自分を想像することなど
できませんでした。

でも私は、
ここまで歩んできました。

だからといって、
「頑張れば必ず乗り越えられる」
などと簡単に言うつもりはありません。

ただ、今、先が見えない方に、

「今見えている景色が、
ずっと続くとは限らない」

ということだけは、
私自身の経験として
お伝えできます。


そして、ご家族にも、
一人ですべてを背負わなくていい。

ということをお伝えしたいと
思っています。


人生には、
自分では選べない出来事があります。

でも、その出来事を抱えながら、
これからどこへ向かって歩いていくのか。

そこには、
自分で選べるものが
残されているのかもしれません。

「自分のど真ん中を生きる」

今回の講演をきっかけに、
私ももう一度、
自分自身に問いかけてみたいと思います。

 
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サワトンさん
このたびは素晴らしい講演を
聴かせていただき、
そして「みなと」を温かくご紹介くださり、
本当にありがとうございました。


講演後には、
妻と3人でお茶をご一緒し、
久しぶりにいろいろなお話を
することもできました。

10年以上という時間を越えて、
またこうしてご縁がつながったことを、
心から嬉しく思っています。

それぞれの人生を歩んだ先で、
再び交わったご縁。

これからも大切にしていきたいと思います。


そして私たちも、
「うつの家族の会 みなと」として、

今、苦しんでいるご本人と、
そのそばで支えているご家族に、
「ここに、話せる場所がありますよ」
と伝え続けていきたいと思います。
 


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「うつの家族の会 みなと」について
うつを抱えているご本人、

そして、
そばで支えているご家族へ。

私たち夫婦自身の経験をもとに、
「うつの家族の会 みなと」
として活動しています。


もし今、一人で抱えていらっしゃる
ことがありましたら、
「みなと」という場所があることを、
心の片隅に置いていただけたらと思います。



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