今日は副施設長の講演を聞きに長岡まで行ってきました。

正直、体調がまだ完全とはいえず、息子、妻も不調でしたが、家族にお願いして、

また主催の方々に無理行って参加させて頂きました。

長岡ろうの皆様ありがとうございました。

 

うちの副施設長は耳がきこえません。うちの施設では唯一の耳がきこえない職員です(もっと採用したいとは考えています。)

私と同じ位、講演依頼が多く、週末になると各所に飛び回っています。

私も聞きに行きたいといつも思っていたのですが、大抵、副施設長の講演会と同じ時間に

別会場で手話通訳を担っていることが多く、今日、やっと聞くことができました。

 

講演内容は、素晴らしいものでした。

生立ちから手話との出会い、仕事や今の施設の話をろう者にわかりやすいようにまとめられていました。

ろう者らしい講演というか、一枚のイラストをもとに想像力をふくらませるような講演で自分も勉強になりました。

 

副施設長の講演で印象に残っていることは、

「今の職場の中で、自分が一番好きな曜日は金曜日です。金曜日はろう者の利用者が多いから、

コミュニケーションに困らないので」という話でした。

 

みなさんも承知のようにろう難聴者にとって職場におけるきこえる人とのコミュニケーションは双方にとって負担がかかることです。

 

副施設長も両親もきこえますし、口話もできますし、文章力も高いですが、認知症利用者とのコミュニケーションには非常に苦戦しています。

方言や回想的な会話を読み解くのはきこえる職員でさえ難しい事です。その中でも、彼女は懸命に自分なりの対応策を考えて仕事をしています。

 

でも、それが私の中で当たり前の光景になっていたのかもしれません。

きこえる社会の中にいるのだから当たり前!そういった無意識の偏見を作り出してしまっていたのかもしれません。

ろう支援者がろう高齢者の支援をする。ろう支援者がろう支援者を育成して、新しい人材を輩出する。

ろう難聴者にとってコミュニケーションストレスのない会社を、社会を創る。そんな未来を創ることができるのも私たちの手にゆだねられていると思うのです。

今、日中一時支援で通ってくれているろう児がいつかうちで大人になっても通ってくれるかもしれない。イベントに参加してくれていたろう児が職員として働いてくれるかもしれない。

 

講演の最後に副施設長は「高齢のろう者が自分の意志とは無関係にきこえる人の施設に入院や入所、孤独死をする姿を見てきました。私だけの力では足りません。みなさんの力で行政に働きかけたり、市に訴えて、ろう者が24時間見守りのある介護施設をつくっていきましょう」と締めくくりました。

 

私が描いていた太陽と月のもう一つの意味。

常に利用者が主役という介護・福祉現場の構図から職員も主役になる、利用者を照らす光(月)となる。

その実現にまた一歩近づいていると実感させてくれる講演会でした。職員と一緒にまた成長していきます!



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