鏡文字とは

 

鏡文字は主に呪詛の世界で使われてきた特別な文字で、正字と呼ばれる字体の偏と旁(つくり)を左右又は上下などを逆に表現する手法である。近年、代書屋と呼ばれる人たちが依頼主から依頼されて書状などに書き記したことが知られている。

 

親柱に記された鏡文字

 

東京都あきる野市にある東秋留橋(昭和14年完成)は秋川を南北に渡るように架けられており、南北の親柱の「東秋留」の「秋」の文字が鏡文字の対象になっている。

 

昭和14年に完成した東秋留橋

橋の北側の親柱は「東秋留橋」となっている

橋の南側の親柱は「秋」が鏡文字

現在は人道橋として使用されている

平成27年に土木学会の選奨土木遺産になっている

 

何故、鏡文字を使ったか?

 

結論からすると理由は不明であるが、昭和の中頃まで鏡文字を使う文化があったように思う。主に代書屋の人たちが依頼主に頼まれて鏡文字を書いていたことも知られている。その他、東秋留橋が完成した昭和14年は第二次世界大戦が勃発した年でもあり、関連性が伺われる。