日本の石文化のルーツは蘇我稲目にあり!
日本の歴史上、石文化の土台にあるものはルーツを辿っていくと「蘇我稲目」に辿りつくと思われる。蘇我稲目は古墳時代の豪族で、蘇我一族の祖と呼ばれている。その子孫にあたる蘇我入鹿、蝦夷親子が飛鳥時代645年に中大兄皇子、中臣鎌足らによって宮中で暗殺されたのが有名な「乙巳(いっし)の変」で、この後、蘇我一族は滅亡したと伝えられている。
蘇我一族の祖と仰がれている稲目には他に「伊奈目」、「伊那目」という名も歴史資料に登場する。東京都あきる野市には信州伊那谷から平安時代に12人の石工たちがやってきて、火山灰が多く含まれた砂岩性の石材を発見した。彼らはその石を「伊奈石」と呼び自分たちで開拓した村の名前を「伊奈村」と呼んだのである。この伊奈石はその後関東一円に出荷されるようになった。すなわち、伊那と伊奈の地名のルーツを辿っていくと石工と石材に辿りつく。(続く)