石造物の組合せから読み解いてみよう!
東京都檜原村の大岳山登山口には庚申塔と百番塔(供養塔)と二十三夜と百番塔(供養塔)を組合わせたものが建立されている。この組み合わせモデルは長年の研究から庚申塔と百番塔の組合せは男性のあの世の入り口、二十三夜と百番塔の組合せは女性のあの世の入り口を表しているということが最近分かってきた。
この考え方は天野 忠という詩人が書いた「端役たち」という詩に如実に表れているので紹介したい。
端役たち
破れた去年の蝿(はえ)叩きをふりふり
雪積む中を
男が歩いて行く
壊れた湯たんぽを抱きしめながら
夏の炎天裡
女が歩いて行く
野超え
山超え
・・・・・・・
地獄の門の前で
彼らはしみじみお辞儀をした
・・・お変わりありませなんだか
一人が云った
・・・おかげさまで、どうやら
一人が答えた
それから門が開いた
・・・おいでとやさしく
鬼の小役人が招いた
図のように石造物の組合せによって男と女の冥界の入り口を読むことができる
大岳神社入り口にある庚申塔と百番塔(供養塔)の組合せ例
大岳神社入り口にある二十三夜塔と百番塔(供養塔)の組合せ例