「松島」は極楽浄土ではない!

 

8月19日(土)に放送されたNHKのブラタモリを見ていると「松島(雄島)」を極楽浄土と解説する場面があったが、これは大きな間違いであると思われる。そもそも極楽浄土とは仏教上西方にあるもので、「松島」は東方向きにあるからである。要するに仏教上は東方は太陽が昇る意味で「再生」を表しているとされている。解説者はそのことをよく理解していないように思われる。

 

松島は湾に浮かぶ大小の島を指しており、雄島がその代表格だと言われている

 

「松島」は極楽浄土に行くのを、ここで待つ(松)という意味

 

民俗学者の谷川健一によると、女性たちは極楽へ行けないという世界共通のジンクスのようなものが昔からあって、すなわち、女性たちが死後、極楽に行くために選んだ場所が松島にある雄島だったのである。恐らく雄島にある岩窟や墓標を見る限り、相当位の高い女性たちがこの場所で火葬にされたのだと思う。火葬は位の高い人々に認められてきた葬送儀式だったのである。また、雄島に架かる橋が「渡月橋」というのも女性と月信仰を結びつけるものと思う。

 

これらは恐らく位の高かった女性たちの墓標と思われる