伊勢暦は方位占いが中心だった!!
現代は各家庭に暦が行き届いて曜日を忘れるようなことはないと思うが、江戸時代の人々はどうやって曜日を把握していたのだろうと素朴な疑問があって「伊勢暦」に目を向けてみると、驚くばかりに方位占いが中心にあるのである。毎日毎日、江戸時代の人々はその日の方位に神経を使って生活の基盤としていたようである。中でも「金神(こんじん)」は最凶の方位神で恐れられていたのが分かる。
その年の吉の方角と金神の方位が記されている
金神とは
殺伐を好むといわれる凶神で、この神の方位は大凶方とされる。この方角を犯すと家族七人を殺し、家族で七人に足りないときは災いが隣家に及ぶといわれ、金神七殺という言葉がある程までに恐れられた。この金神は、一定の方向にとどまらず、あちことを遊行するので紛らわしい。ただし、金神の方角に当たっていても、同じ方角に九紫土星があるか、または天道、天徳、日徳などの吉神がいる時は、金神のっ祟りがないとされる。(こよみ事典:東京美術選書)