金比羅山と花見山

 

金比羅山は各地にあるが、花見山というのは余り知られていない。しかし、インターネットで調べてみると各地にあることが分かる。金比羅山と金比羅神社は水運や海運の神様として知られているが、花見山というと多くの人が花見をする山と誤解している。しかし、民俗学で調べてみると花見山の花見とは、杣(そま)と呼ばれる人たちが山林の樹木伐採に初めて山に入ることを「花見」と言っていたようである。要するに、花見山というのは杣と呼ばれる職人たちの聖地だったということが分かる。東京都あきる野市五日市は昔から山で切り出した材木を筏にして秋川から多摩川を経て江戸まで運んでいたことが知られているので水運の神様、金比羅さまが祀られている。ところが、あきる野市を含めて各地にある花見山には杣の神さまを祀るようなものが全く確認できない。筏流し(水運)と杣は一心同体のようなものであるが、どうして花見山には聖域を示す祠がないのだろうか、不思議である。下の地図並びに写真は東京都あきる野市内で確認できる金比羅山と花見山である。

 

             東京都あきる野市内にみられる金比羅山と花見山

 

                        金比羅山山頂にある金比羅神社

 

                 花見山山頂には聖域を示す祠がみられない