庚申信仰における庚申塔の役割は、先ず第一に「魔よけ」である。村の入り口や要所に建立して外部からの「魔よけ」として使っている。その他に「交通安全」、「病魔退散」などの祈願を行っている。下の図は主な建立パターンを表したものである。

 

①道祖神三尊型

 村の中心に道祖神を建て、村の出入り口に各一基ずつ庚申塔を建立している。

②庚申塔三尊型

 村の中心に親庚申を建て、村の出入り口に各一基ずつ庚申塔を建立している。

③道祖神・庚申塔型

 村の神社などに道祖神と組で建立している。

④道標型

 道標の傍に建立している。

⑤庚申塔単独型

 村の辻などに単独で建立している。縁日三天型の場合もある。

⑥縁日三天型

 昔は正月の縁日行事として弁財天、大黒天、帝釈天を「交通安全・家内安全・商売繁盛」の神

 様として祈願する風習があったようだ。暦の中段と呼ばれるところに、この三天の縁日が載っ

 ている。己巳は弁財天を祀り、甲子は大黒天を祀り、庚申は帝釈天を祀る、ということである。

⑦霊場入口型

 各地の霊場の入り口に百番塔と庚申塔の組み合わせをし、霊場入口案内になっている。

⑧日月型

 理由はよく分からないが、庚申塔と二十三夜塔を組み合わせて双体道祖神のような意味を

 持たせているようである。

⑨六地蔵型

 六地蔵の脇に、時々、庚申塔が建立されている。