シーズン1-2 徹夜の作業(改定版) | ベーリング海スーパースター列伝

ベーリング海スーパースター列伝

ディスカバリーチャンネルで放送中の『ベーリング海の一攫千金』に登場する、命知らずのカニ漁師達にスポットを当てたブログです。

30時間前
1200人が乗る251隻の漁船団が
アラスカのダッチハーバーを出港
追うのは7000万ドルの獲物
カニ漁は
危険な海での
世界一 過酷な仕事です

このナレーションから始まる放送2回目はいよいよカゴの引き上げが始まる。

“トニー フィアス・アリジェンス号”


“ロジャー サガ号”


“シグ ノースウエスタン号”


“コールマン ウエスタンバイキング号”


“ヴィンス ラッキーレディー号”


“ラリー シースター号”

ちなみに2013年9月現在、日本ではシーズン9が最新エピソードだが、
上のメンバーを見ても分かる通り、ずっと出演?しているのはNW号のみである。

港から北東210キロにいるのは
全長32メートルのシースター号
船長ラリーとベテラン漁師たちが最初のカゴを引き揚げます
2時間ほど仮眠した後
再び甲板へ戻り
8時間かけて
360キロのカゴを揚げます
船長も船員たちも
期待に胸を膨らませます


1つ目、31匹。
良好だそうだ。
その後も平均49匹と好調。

ただし持ち帰れるのは
甲幅16.5センチ以上のオスのみ



「コ」の字型のサシを甲羅に当てがい、サシより甲羅の方が大きければOK。
それ以下、およびメスは資源保護のためにリリースしなければならない。

ラリーは得意げ。
「これで若い連中も思い知るだろう
長年の経験が若さに勝ることがあるのさ」

船上は歓喜の雄叫であふれかえっていた。

その南西120キロ。
ウエスタンバイキング号(以下WV号)。
甲板に載せきれないカゴを魚倉に入れていたが、それを取り出す作業に追われている。
しかし問題発生。
 
「船が激しく揺れたせいで 中が壊れた
船倉を直さなきゃ」


揺れる船倉でカニが傷つかないように、仕切り板がボルトで留められていたが、荒波にもまれ魚倉に保管していたカゴがぶつかって板が全て破損した模様。

カニは死ぬと有毒な物質を排出し、その影響で他のカニもやられてしまうので、保管場所である船倉をキッチリ修理しておかないと、せっかく獲ったカニが全滅する可能性もあるのだ。


「最悪だよ
本当なら水揚げしてるはずなのに
船の修理なんてさ
このせいで休憩もできなくなった」


40マイル南東のNW号ではまだカゴを仕掛けている。
シグは1カ所に全部仕掛ける作戦。

8時間で180個を投下し
残りは20個です


つまり1時間平均22.5個というハイペース。

海中に沈めたカゴは
最低でも24時間は放置します
カゴの大きさは縦横3メートル
高さ75センチ

入り口はじょうごのような形で
入ったカニを逃がしません


そしてブラッドフォード。
 
「エサを放り込んでる
それも一晩中ね」


前日の昼から1トン近くのエサを作り続けても
まだ終わりません


「よくやってる 頑張り屋だ
本人には言わないよ 絶対にね」
NW号 エドガー

知ってか知らずかブラッドフォードは
「とにかくバテないように頑張るよ
そして祈ってる 何って・・・
死なないようにね」

 彼を待ち受けているのは
披露と悪天候 鬼先輩のエドガーです


「相当疲れてるようだが しごくのはこれからだ」
エドガー

そしてサガ号。

船長は若いロジャー、37歳。
ブイに船が近付き過ぎ、回収に手間取るが、何とかカゴを引き揚げられた。
8時間の試し獲りで19匹。
2つ目は38匹と好調。

捕れたカニは1杯25~35ドルで買い取られます

日本円で大体2~3,000円か。
そりゃー末端価格は高くなるわな・・・

サガ号から240キロ西にいるのはフィアス・アリジェンス号
この海域では15年以上も漁が行われていません
 

船員たちは水揚量を予想し合っている。


「カニがいそうな漁場へ行って 短時間で勝負する
ダメなら明日が大変だ」
(FA号 トニー船長)

そしてこちらも試し獲り。
しかし1つ目は16杯、2つ目は何とたったの1杯。

「場所が悪いんだ ここはダメかもね」
(FA号 エリック・バンカーク機関士長)

その後も渋く、トニー船長は姉妹船にカニの捕れている場所を聞く。
トニー「たくさん捕れるというその漁場に 他の船は?」
姉妹船船長「あまり来てないよ 参考までに97杯も捕れたカゴがあった
次のカゴは36杯だ」


トニーは悩む。
今仕掛けてある100個を引き揚げるか、
甲板に残る145個を別の場所に仕掛けにいくか。
そして・・・
 

漁の開始から10時間。
もう捕れている者もいれば不漁の者、
中には漁を始められていない者も。

WV号である。
船倉内で外れた板の固定作業に追われていた。何とか完了。
 
「祈ったか? あとは神だけが頼りだ」
しかし、何とまた外れていた・・・。
板無しでは魚倉内でカニがぶつかり、死んでしまうが・・・。

そして漁船団最小の船、ラッキーレディ号。

甲板が小さく、積載出来るカゴの数に限りがあるので、こういった小型船はカゴを予め海上保管(海中保管)しており、それらをうまく併用することで積載数の少なさをカバーしている。


ヴィンス船長は、去年サガ号で落水して死にかけた船員のケビンがお気に入り。
「よくやってる まだ24歳と若いが ケビンには目をかけているんだ
修行を積ませて30歳になる頃には船を任せたい そしたら俺も楽ができる」


ケビンは落水経験者で、奇跡的に助かったが、通常落水すると4分以内に引き揚げないと生き残れる可能性は無い。
救命スーツを着ていれば生存の可能性は上がるが、1分以内に着用出来なければならない。

ビッグバレー号のゲーリー船長がスーツの説明をしてくれる。
 
「まず寝袋みたいに床に広げる この浮揚装置を自分で膨らませる
この口から息を吹き込むと ベストが膨らむ仕組みだ
周りに知らせる警笛もついてる この反射鏡はオマケ程度だな」

スーツの素材は10ミリ厚のネオプレンゴム。
非常にごつく、着にくいが、生死を分ける重要な装備。
 


アラスカン・モナーク号のモーリス・ハンセン船長は救命スーツのおかげで命拾いした一人。
流氷の中を航行中、氷山に当たり舵を破損。

コントロール不能となりSOS信号を出す。
船首へ船員を集め救助を待つが、自分たちも操舵室から船首へ移動しようとした時に横波を受けて海に投げ出された。

しかしスーツを着用していたため、無事救助された。


WV号ではようやく最初の水揚が行われる。
 
「最初の水揚げが大漁だとうれしいな」(ウィリー・オーバルス)
しかし、揚がってきたのはカラのカゴ。
二つ目は1杯。

その後も無駄な作業が続く。
5杯。
7杯。
結局、目標600杯に対し、捕れたのはたった62杯。
悪いことは続くものである。

NW号
徹夜で作業中。
15時間ぶっ通しで働き、やっと最後のカゴにエサを付け終えたブラッドフォード。

「やっと終わって感激だよ」

他のクルーもやっと寝られる、と安心モード。
しかしシグは何とカゴの保管場所へ向かう。
 
「あと50個ある それを回収して別の漁場に仕掛けにいく
仮眠はそれからだ 回収した50個を放り込みに行く」


カゴの保管場所までの数10分、先輩たちが休憩する中、ブラッドフォードは一人でエサの準備。
しかし早めに休憩を切り上げたニックが手伝いにきた。
「俺のやり方を見とけ」

ニックは優しい。

エドガー「新米にやらせろ 手伝い過ぎだ」
ニック「やらせてるさ」
エドガー「到着までに50個作れ」
ブラッドフォード「もちろんです」
エドガー「足りない分 睡眠時間を削るぞ」

そして回収中のカゴに珍しくカニが乗っていた。
 
初めてカニをみたブラッドフォードは
「僕にはエイリアンに見える」

ダッチハーバーの北西210キロのシースター号(以下SS号)では相変わらず大漁続き。
61杯。
69杯。
79杯。


しかし休憩無しのため、皆気が立っている。
新人に当り散らす者もいる。
つかの間の休憩が与えられたが、ドンはまだ新人への怒りが収まらない。
ベテランのケニーはどこか怪我をした様子。
 
士気が下がり、休憩明けの水揚量も下がった。
18杯。
9杯。

そしてラリーは移動を決意。
「北上して大漁に賭けるつもりだ それが吉と出て笑えるといいんだがな」


そして不漁で北西に移動したFA号。
10万ドルの水揚げをした船がある中、彼らはまだ5000ドルの水揚げ。
 
 
急がなければならないのにエサ係のエリックは動きが悪い。
彼のせいで他のクルーまで作業が遅れ、休憩・食事もままならない。
「皆 大丈夫かって聞くけど 俺は大丈夫だよ
仕事をこなすのに必死なだけだ
口数が少ないのは疲れているからさ」

といいながら死にそうなエリック。

そこから130キロ東のサガ号は水揚げ中。
しばらく好調だったが突然水揚量が減少。
1カゴ30杯から2杯に。
カニが移動したと判断、漁場を変えることに。

WV号。
遅れを取り戻すためにほぼ不休。
そして若いクルーの不満がたまりつつある状況。
「徹夜で働いて 皆疲れている 船倉が壊れたりしたからね」(マイク・レデコップ)
「今まで30分休憩が1回だけだぜ 横になったけど 15分で起こされた 仮眠もできない 多いに不満だよ」(ウィリー・オーバルス)
「長い間甲板で待たされることもあるし 休んでてもすぐ戻されるんだ」(ティム・マクウィリアムス)
「上の連中ももう少し考えてほしい」(ウィリー)
「ウソはやめてほしいね 休憩なしなら そう言えよな」(ティム)
 


船長は

「皆 言いたいことがあるようだが 不満の矛先が船長に向くのは仕方ないことだ 船長も大変だ」


「寝たかって? 答えは“ノー”だよ 不満はないのか?」(ウィリー)
「ないよ」(マイク)
「彼(マイク)も寝てない 船長は寝た」(ウィリー)
「船長の仕事は重要なんだ」(マイク)
「だから何?」(ウィリー)
「文句タレずに働け」(マイク)


NW号
ブラッドフォードもヘタってきたか。
「時間の感覚がないよ。 朝の6時か7時? もう8時40分? 日も出てないのに
家にいたら今頃何してるかな バイクに乗ってるか授業中だ
現実はアラスカでカニ漁をやってる 楽しんでるよ」


SS号でも徹夜の水揚げ。
ラリーは次の水揚げまでの間、漁船団の成績をクルーに報告。
 
 
「FA号は初日の合計が1334枚、サガ号は1300、LL号は700枚
うちの船は1627だから・・・ 漁船団中3位だ」

「大差をつけようぜ」
「そして勝つ」
「俺たちは最強チームだ!」

おじいさんチームがヘトヘトなくせに強がってみせる。