■2019年9月
仕事で通ってるとある事業所の駐車場で野良猫と出会う
猫は元々、警戒心強い動物だが野良猫ともなるとさらに凄い。
まさに通常の三倍と言ってもいい。当然、触れる訳がない。
近ずくとすぐに逃げ出す。 とりあえず、心の中でシロと命名する
■2019年9月~10月
週に一度ぐらいしか会えなかったシロが週に2~3回駐車場に現れるようになる
痩せてる野良猫が多いのにシロは痩せてる感じはなくむしろ体格が良い
きっと色んな所で餌を貰ってるんだろうと勝手に想像する。
頻繁に現れるようになったので
ここの事業所の人達もシロの存在を知るようになる。
勿論、誰も触れないし、餌を与える人もいない。
いつも駐車場に来るので出会う頻度は俺が一番多い。
なので、事業所の人達からもよくシロの事を聞かれた。
皆、良い人なので野良猫を嫌な目で見たりする人はいない。
自由にさせてあげようとゆうスタンス。
保健所に連絡されるんじゃないかと内心ヒヤヒヤだった。
■2019年11月頃
毎度触れないとは分かっちゃいるがどうしても触りたい俺は、
体制低く片手に弁当のおかずだったさばの塩焼きを持ってなんとか近づこうとする。
すると、シロが口を開けてシャーーッと威嚇した
(シャーーの声は聞こえなかったが、この時は猫特有の威嚇と思ってた)
触らぬ神にたたりなし、なので触ることはあきらめた。
もうこの頃は駐車場にほぼ毎日来てたのでそれだけでも良かった。
そこに存在してる姿を見るだけで癒しを貰ってた。
ただ、最初に会った頃より痩せてきてて、元気もあまりなかったように思う。
■2019年12月頃
俺から近づく事はあきらめたが、いつも社用車の側にちょこんといる
(多分、餌が貰えると思ってる)ので、車に乗る時、どうしても近づく事になる。
するとやっぱりシャーーするので、どうせいって言うのよ?と思いつついたが……
ある日、気付いた。
シロはシャーーしてるんじゃなく普通に泣いてるのだ。ニャーと声が出せない(出ない)のだ。
思い返せば、最初のシャーーの時もシロは逃げなかった。
俺が威嚇してると思い込んでただけだった。
それに気付いてからはとてもいとおしくなり、完全に情が移る。
コンビニでキャットフードを買い、こっそり餌をあげる日々が始まる。
車の死角で他から見えないように。いつもバグ食いする。
正月休み中は会えなくなるので日々心配だった。どうか無事でいますようにと何度祈ったことか…
■2020年1月
新年最初の出勤日、頭の中はほとんどシロの事だった。
なんせ10日近く会ってないので嫌なイメージしか浮かばない。
でも、普通にいた。
こっちの心臓ドキバクはなんだったのかと拍子抜けしたぐらい普通にそこにいた。でも痩せてる…
そしてまた、餌やりの日々が始まった。
雨の日は駐車場に来ないけど、それ以外は来てた。
ここに来れば餌を貰えると完璧に理解してるので来ない訳がない。
しかし、飯は食べるが去年ほど食べないし、元気がほとんどない。
ずっとこのままとゆう訳にもいかないのでネットで色々と検索し保護してくる所を探す。
保護施設とかはいくつかあるのだが、いずれも保護の依頼は受けませんと注意書きがある。
とある所が保護はするけど費用が7万かかると言われる。野良猫の為にそんなに出せない…
しかし、その施設は最後の死ぬ時まで面倒をみるとの事だったので
長い目で見れば圧倒的に安いとは思う。
もし俺が連れて帰って最後まで飼うとしたら7万どころじゃない。
そんなはした金なんぞ、一瞬で無くなるだろう
どうしたもんかと悩みつつも日々は過ぎてゆく・・・・・・・
■2020年2月3日月曜日~
休み明けの月曜日、シロは駐車場に現れなかった。週明けでも普通に来てたのに…
明日になれば来るだろうとお気楽に思ってたが……それ以降来る事はなかった。
もう一週間以上経過した。この一週間は胸が痛い。夢にまで出てくる日もあった。
どこかで餓死してるんじゃないか…
車に轢かれたんじゃないか…
悪い奴に虐待されて死んだのじゃないか…
頭に浮かぶのはどうしても悪いイメージばかり。
優しい人に拾われて幸せに暮らしてるだろうとゆう良いイメージが一切浮かばないのだ。
事業所の人からも、あの猫ちゃん全然来ないねー、どうしたの?って聞かれるし…
もうこれ書いてても泣きそうになる。
約5ヶ月、もはや同僚並みに会ってた猫なので辛すぎる。
つらすぎて心臓が痛い………どうか見知らぬ場所でも生きててほしい。
有難うシロ。