AV制作会社編⑤ | 風化水脈

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音楽・車・猫・映画。主に回顧録

ーーー※ご注意※ーーーー


これは私が20数年前にAV業界でバイトしてた時の話です。

読む人によっては不快になる事もあるかもしれません。

あしからず


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自社作品の撮影が始まると

Iさんは会社にはほとんどいなくて

撮影スタジオなどに入りびたりになります。


とは言ってもAVの撮影はたがが2~3日で終わるので

すぐ出来上がるのですが。


出来上がった作品は編集スタジオに持ち込まれ

編集されます。


販売用に作品時間を60分にするのです。


60分作品に仕上がった段階では

いわゆるモザイク無しの状態です。


私達は制作メーカー側の人間なので

当然、ノーカットは観放題です。


私も男子ですからね。最初はそりゃもう

興奮な訳です。ガラスの十代ですが

ガラスが割れんばかりの勢いな訳です。


なのですが・・・


AV界にも職業病的な感覚があるんです。


毎日毎日、エロの世界で仕事してると

不思議とエロを本来のエロ目的ではなく

違うエロ目線で観るようになります。


ややこしくてすいません。



例えば

今現在の私の友人の友人に葬儀社で働いてる人がいます

友人の友人だけに直接的に会ったこともないし

顔も知りませんが。


でも私の友人が聞いた話しでは

葬儀社の人間は他人の遺体を見るのは当たり前の事で

慣れてくると特に何も感じないそうです。


これも職業病みたいなものではないでしょうか。


自分の家族でも遺体を見るのはしんどいのに

他人の遺体など見たいとは思わないし

仮に見たとしても気分は良くないでしょう。


AVも同じなのです。

モザイク無しを散々観てると特に何も感じません。

興奮もしなくなるんです。



いや、すいません嘘つきました。


無論、感じる事も興奮もしますが・・・

その度合いは凄く低くなりますね。

仕事目線になる訳です。


さらに言えば当時は疑似本番がちょいちょいあります。

※疑似本番とは簡単に言えばやってないとゆう事です。

本番NG女優とゆうやつです。


最近のAVを一度でも観た人なら分かると思いますが

現在のAVのモザイクはかなり薄いです。


それこそ男性器なんかはモザイク越しでも形はハッキリ分かる。

とゆう事は、挿入してる部分もモザイク越しであろうと

ちゃんと分かる訳です。



ところが当時のモザイクは全くなにも分かりません。

それほど濃いモザイクなのです。


となると挿入してなくともモザイクがかかれば

観てる人には本番してるようにみえるのです。


つまり、女優と男優が素っ裸でお互いの股間を

ぶつけ合うだけで、あとは感じる演技をしてる訳です。


そうゆうのも当然観るのですが

正直、かなり笑えますw


こいつらの仕事って一体何なんだ?とか思います。


しかし、そこにモザイクが入るとやってるように観えるのです。

これは不思議です。


モザイクが入ると途端に演技じゃないようにも観えます。

一種のマジックですかね。



男性の精子も疑似精子とでもゆうのでしょうか・・・

特殊な何かで作られてます。

それが何だったのかは未だに分からないままですが。


そして私の仕事はここからです。


60分に編集されたマスターテープをもって

モザイクをかけるスタジオに行きます。

当時、そのスタジオは新宿区大久保にありましたね。


そこでまずモザイクをかけてもらいチェックします。


自社でのチェックが終わったら次にそのビデオを

ビデオ倫理委員会(通称ビデ倫)に持ち込みます。

ビデ倫は当時、銀座にありました。


ビデ倫でモザイクの審査を通さなければ販売出来ないのです。

ビデ倫で働く人達も仕事としてAVを毎日観てるだけに

審査はかなり厳しいです。


モザイクは映像処理で上書きするようなものですから

モザイクを当てる部分が多少ズレる時もあるのです。


しかし、そのわずかな一瞬ですらビデ倫の審査官は見逃しません。

何分何秒頃に一瞬、性器が見えるとダメ出しをされ

モザイク処理のやり直しとなります。


そうして編集などを繰り返し

審査が通れば販売許可が出る訳です。


審査を通過した作品にはパッケージに必ず審査済証の

ステッカーが貼られます。


そのステッカーは複製不可能でかなり特殊なステッカーです。


もし、これを読んでる人で

自宅にエロビデオやエロDVDがあるなら裏を見てみて下さい。

そのステッカーが貼ってある筈です。



続く。