日経NY財満大介の指摘は正しい | Market Cafe Revival (Since 1998)

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CITが示す本当の危機(ウォール街ラウンドアップ)

2009/07/21, 日本経済新聞 夕刊, 4ページ


> 20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日続伸。前週末比104ドル高で終えた。


> この日は取引開始前から、資金繰り難で経営危機が伝えられる米ノンバンク大手CITグループが、債権者との合意で30億ドルの融資を受ける見通しになったと伝わった。交渉がまとまらなければ米国で5番目の大型破綻となるだけに安心感が広がった。CITの株価は8割近く上昇し、1ドル台を回復した。


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> つなぎ融資で来月に迫った債務の返済は乗り切れても、CITは融資額を上回る40億ドルの資本が必要との見方がある。一時しのぎに終わらないためには、債務の株式転換などの追加対策を急ぐ必要があるだろう。


> CITは米連邦預金保険公社(FDIC)に債務保証を求めていたが認められず、債権者とのギリギリの交渉を余儀なくされた。市場では、FDICが他の銀行に債務保証しながら、なぜCITには保証しないのかとベアーFDIC総裁らを批判する意見がある。


> だが、CITがFDICに拒絶されて初めて、債権者との交渉を始めたことへの批判はあまりない。民間で融資ができるのに、なぜ先に政府に助けを求めたのかという疑問はあって当然だ。


> CITは100万社の中小企業に融資する立場を強調し、「破綻すれば金融システムリスクにつながる」として救済を求めたという。いわゆる「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル(大きすぎてつぶせない)」の考え方である。


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> ミネアポリス連邦準備銀行のフェルドマン副総裁は著書の中で、野放図な救済を続けると、金融機関が自ら「トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル」を目指す危険があると警告している。巨大化すれば政府に救済される、政府が救済するから債権者も安易にカネを貸す――というモラルハザードが起きる。


> CITのケースはまさに典型だろう。米政府内には異なる意見もあり、対応が変わる可能性もあるが、ベアー総裁はこの考えに基づき支援を拒否したとみられる。危機にさらされているのはCITではなく、自己責任を原則とする米国の自由市場主義のほうなのだ。
(ニューヨーク = 財満大介)


☆ 最後の結論部分は大事な指摘だと思う。米議会で「この問題」が取り上げられる時,共和党が主張することはこれだと思う。「危機にさらされているのはCITではなく、自己責任を原則とする米国の自由市場主義のほうなのだ」。


☆ CITが何とかなりそうだから,写真相場のように上がってしまって良いのかなと思ったりする。


PS.探偵殿お知らせ有難うございました。そのレビューは小生ではありません。2005年夏あたりのレビューでしょうか。。。