風見鶏(6) | Market Cafe Revival (Since 1998)

Market Cafe Revival (Since 1998)

四つの単語でできた言葉の中で、最も高くつくものは「今度ばかりは違う」である(This time is different.)。

☆ 先週金曜日の日経CNBC「ラップトゥデイ」の「アジアマネー」は,立花証券の平野氏が正しい指摘をしていたことが印象深かった。


☆ 平野氏は「株式市場の先見性が失われている」と嘆いている。目先の指標に一喜一憂していると指摘している。確かに日本経済新聞を読んでいても米州総局を筆頭に(しっかりしろ,滝田洋一!=笑=)目先の指標や市場の空気に「吹き流し」のようにゆらぎまくっている。しかしそれは日本だけの問題ではなく,世界の市場に通底する問題である。


☆ 本来「景気先行型の指標」であるはずの株式指数に「先見性」が失われていることは,投資の前提としての財務指標への信頼が揺らいでいることでもある。その原因は「金融セクター(銀行・証券・保険)」への信頼が揺らいでいるため,資金(言い換えれば「経済の血流」)が滞ってしまったことで,経済活動全体が機能不全を起こしてしまったことにある。


☆ この事態に対してAEDを用いてでも血液循環を正常化しようとしているのは中国くらいで,欧米(特に欧州)はそれ以前の段階で立ちすくんでいる。


☆ いま起こっていることは,企業のブック(財務諸表)に対する信頼感の喪失であり,同じく企業のフロー(貸借対照表のうち営業収支部分)への信頼感の喪失である。これでは投資の前提が失われているのに等しいから,平野氏の嘆きには重大な意味がある。


☆ 別の言葉でいえば「相場は需給関係だけで左右され,眼前のひとつひとつの経済指標がマーケットを直接揺さぶるノイズ(それによって需給関係が変わる状況)と化している」ということかもしれない。まあ確かに「バークシャーの格付けが引き下げられた」ことを日経の記者が嬉々として報告しているようでは,平野氏の嘆きもむべなるかなと思わざるを得ない(苦笑)。